ずっと気になっていた。
大白森から眺めやる乳頭山と秋田駒。あるいは蟹場分岐から空へと伸びる、ブナの道。
乳頭山直下の田代平山荘の水場は期待できない(相当降りる必要がある)という情報はあるが、どこかで水を汲んで行けば問題ないわけで、そういう意味では戸繋沢源頭は実績と経験がある。
しかも2025年は積雪量が多い(春先に東北ではドカ雪が降った)らしく、中ノ又を詰めてから乳頭山、さらにはその先の千沼ヶ原まで足を伸ばすというのも現実的だ。
そんなことを、ずっと考えていた。
だとすれば、いつものルートを辿る前提で装備を組み、さらに雪渓用のアイゼンや小屋泊用のグッズを追加して、あとは日程さえ確保できればどうにかなるだろう。
6月初旬。
タケノコは間違いない。イワナもまぁ、釣れるだろう。
未知のルートに想いを馳せ、ついつい余分に酒を用意して、いつもとはちょっとだけ重いザックが肩をきしませる感覚をも楽しみながら、東北へと向かう。
久しぶりのソロ。
前夜泊なので、まずは昼下がりに地元・府中の「やすのたまぞう」にて、油そばとビールを楽しむ。
店主のやすくんと色々話して、イワナ釣りまくるよーみたいな調子のいいことを言いながら北府中から武蔵野線に乗車。
夕刻に盛岡へと着く新幹線の中ですでに忘れ物に気づく。
老眼鏡、あとは360度カメラのInsta360。
老眼鏡は盛岡駅ちかくのダイソーで手配できたが、Insta360はもうどうしようもない。今回はiPhoneのみでがんばろう。
駅直結のホテル、メトロポリタンにチェックインして(6000円くらい)、予約しておいた駅前の寿司屋へと向かう。
この時期、東北ではホヤが美味いということは過去の経験でわかっているので、早々にコースにホヤを追加で組み込んでもらうようお願いしておく。

結果的に、私の注文でこの日のホヤは終了だった。あぶない。
無事に提供していただいたホヤは独特の香りと食感で、日本酒が進みまくる。東北の初夏の味。
さらにはカツオも供されたんだけど、こちとら静岡県民。カツオにはちょいとうるさいよと思いつつ、よくよく見ると不思議な食材が乗っている。
「こちら、行者ニンニクの葉と一緒にお召し上がりください」
な、なんですと! 浜松ではカツオの薬味といったらニンニク一択なんだけど、なるほど行者ニンニク、これもまたオツです!美味い!

この大羽鰯も最高すぎた。脂のノリといい、焼き加減といい、頭からかぶりつきながら堪能して、とにかく大満足。
この夜はカウンターの一人客が多く、わりと会話も弾んでなかなかに楽しいひとときだった。握りも美味かった。
すっかり腹もくちくなり、ホテルに戻って寝ようかとも思ったのだが、ついつい魔が刺して盛楼閣へ。
冷麺を辛み別でいただいちゃいました。相変わらずいい店だなここは。

そんなわけですっかり満腹になり、一体なにしに来たのかわからない状態で眠りに着いたわけです。
盛岡で楽しむ前夜祭もまた、沢の一部ということで〜。