大将と語らった夜

夏前のことなので、けっこう時間が経っているんだけど下書きを見つけちゃったので投稿しておく。


当サイトでも度々登場しているびぜん亭の大将から電話がかかってきた。こんど所沢で1週間だけ店を復活させるから食いに来い、あと畑も手伝え、という内容。

ところざわサクラタウンにあるラーメンWalkerキッチンで、びぜん亭の予定が入ってるのは知っていたので、なるべく混まない平日に行きますよ、と。

なんでも、弟子筋の人気ラーメン店主たちが日替わりで手伝いに来るとか。さすがの人望だ。

訪れたのは最終日。カイシャの部下といっしょに。券売機で特製?みたいなヤツを買ってたら見つかって、ちょっと話をしたが、ラーメンはいいから千葉の別荘の畑を手伝いに来い!と急に具体的な日程の話になる。強引だなもう〜と思いつつも、空いてそうなところで約束をして、当日は駅まで迎えにきてもらうことに。

エッチラオッチラと千葉の某駅までたどり着く。昼飯に、あらかじめ目をつけておいた店でラーメン。地元の人々に長年愛されているだけあって、よきお味。家族経営っぽくて接客も丁寧なのがまた好感度上がる。

見る人が見れば「ああ、アソコね」となるであろう

その後電話をすると、迎えに来てくれたのはベテランの常連客(言い方が微妙だが)。何度も顔を合わせてる方で、お久しぶりです〜と挨拶もそこそこに発車。

聞けばけっこうな距離があるとのこと。しかも他の常連は朝から作業していて、ほぼほぼ作業終了らしい。なんのために来たのか!?

別荘には初めて来たけれど、別荘?ていうか小屋?みたいな風貌で、よく言えばワンルーム。知り合いの設計者に頼んだとうだけあって、坪数は少ないながらも意匠を凝らした掘立て小屋というところか(褒め言葉)。

着いて早々、大量の素麺が茹でられており昼食。いや、さっきラーメン食ったばっかり。箸がまったく進まねえw

ほどなく他の皆さんは帰るとおっしゃる。野菜やらの手土産をクルマに詰め込んで、じゃあ頑張ってね〜と残され、大将とふたりっきり。


まあでも何もしないわけにはいかんだろうと、ガンコな雑草で覆われた畑をスコップで掘り起こそうってことになる。

これがしんどくて、親指ほどの根が縦横無尽に張り巡らされてるのをスコップで切りながら掘り起こす。そんなのを夕方までやって、ようやく10平米くらい。まだちょっと残ってたけど、いい加減日没コールドだ。

いやでも、今夜ここに泊めてもらうつもりで来たんだけど、先述のとおり「ワンルーム」なのでどうにも気まずい。すると「M君がいま千葉にいるから迎えに来てもらえば?」ということになり、電話をかけるとOKの二つ返事。マジか。

それまで晩飯を食い、酒を飲んだりもして過ごす。M君は当初20時に来る、と言っていたのだがズルズルと遅くなり結局来たのは23時。ここから府中まで送ってくれるという。えええ、なんか悪いな。


それでも夕方からの数時間、初めて大将と二人っきりで、色んな話をした。


ポツリ、ポツリという感じだが、自分が作ったラーメンの味を、希望する若者に伝授したその後のことであるとか、先日の所沢での復活のことであるとか、この別荘のご近所づきあいのことだったりとか、本当に色んなこと。

基本的に、この人の周辺に集まってくる連中は、一般的な価値観から遠いところにいる。それはまず間違いがない。普通の感性の人は、彼が楽しんでることを「楽しそうだな」と思いこそすれ、自分でもやってみたいとは思わない。

つまりは、大将の周囲にいる人間は、基本おかしな連中ばかりなのである。もちろん自分も含めて。

ただ、やはりグラデーションのようなものはあって、そこは人それぞれ。自分なんかは常連グループの中でいえば、しんどいアクティビティ限定で呼ばれる三軍程度の位置付けだろうと思っている。でもまあ、それでいいかなとも思う。適度な距離感。

だけど中には、正直ヨコシマな……と行ったら角が立つかもだけど、利己的な理由を多少なりとも孕んでいる人もいるっぽいということはなんとなく想像がつく。もちろん自分も十分ヨコシマであることは自覚している。沼田のMさんとこ行きたいのは、何割かは「お肉」が理由だしね。


ただまあ、この夜語り合ったことで、大将も「極楽大将」のようでいて色々と悩みの種はあるのだなということもわかり、逆にちょっと安心もしたのである。

こう言っちゃナニだが、商売も卒業して、体が動く元気なうちに、いろんなことを楽しんでもらいたいと思う。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です