6:30起床、10:30出発。
よく晴れた。火を熾し、コーヒーを淹れて朝飯を作る。その間もMくんは出合近辺でテンカラを振っているが、釣れんボーイ。まぁなんちゅうか、まだまだキャストの練習が必要的な。

のんびりパッキングしてたら、下流からベテラン感あるフライフィッシャーなおじさんが単独でやってくる。ちょっと会話をしたのだが、ここまでアタリは見られなかったとのこと。日帰りで大滝まで往復するらしい。
情報交換して、先行してもらう。ならばとディレイスタートを決め込んで湯を沸かす。コーヒーおかわり。

たっぷり時間かけて休んだものの、20〜30分ほど歩いて沼ノ沢出合前の滝でアッサリ追いついてしまう。スローペースというよりも、じっくり攻めるスタイルなのだろう。
向こうも分かっているようで、先に行くよう促してくれた。ギスギスしてなくてよいやね。このあと、中ノ又沢出合でふたたびおじさんに先行してもらって、大滝で追いつくという形でのランデブーが続いた。

基本、Mくんを先に行かせてテンカラを振らせるのだが、相変わらず魚影が薄すぎる。沼ノ沢出合から上は比較的数も型も良くなるんだけど、とにかく足元を走るイワナが見られない。大滝手前の釣り堀的な淵ですら、まったくのノーチャンス。
ならばここでと大滝でルアーをぶち込む。何回か投げたのだが足元までルアーを追いかけてきた八寸ちゃんはいたものの、食いついてくれない。下手こいてバックラッシュ。むぅ。粘ったがここまでか。

どうにも渋いっすねー、とおにぎりを食ってたおじさんと話をした。おじさん、どうにか七寸を1尾上げたとのことだったが、こっちは2人ともボウズ。「活性が低いというか食いが悪いというか」とはおじさんの弁。同感である。
竿を出しながら下山するというおじさんに別れを告げ、中ノ又沢出合に戻って湯を沸かし、カップヌードルをすする。これはこれでサイコー。もちろんカレー味ね。

中ノ又沢に入り、ゆったりと歩く。穏やかな流れとブナの森林が本当に心地よい。だが、そんな気分に水を差すような出来事が。
歩いていたら、ちょっと先にどうみても違和感アリアリな物体が流れの中にあったのだ。青い物体が見える。明らかに自然界のものではない。まさか。
「おいちょっとアレ、死体かもしれない」
「マジすか!アツいっすね!」
若干ビビりながら足を進めると……なーんだ、流れの中にブルーシートが固定されてるだけじゃないか、びっくりしたなあ、もう。

ていうか、やめろやこういうの!
どこの誰だか知らないけれど、沢の流芯にブルーシート固定するとか、どこからそんな発想が出てくるのか。2023年の6月にはこんなのなかったから、この1年ちょいの間に来たヤカラの仕業か。
暗澹たる気分で(死体だったらどうしようと思ってたからね)思案。悩んだ挙句、今回はスルーすることに。来年以降でどうにかしよう。大石沢のブルーシートといい(ていうかこれは右岸台地に捨ててあったものを我々が引っ張ってきて再利用したのだが)、釣り人のマナーの悪さ極まれり、である。
そもそもブルーシートを残置する文化、マジでやめてほしい。しかもそれを、沢中に沈めておくとか悪趣味にもほどがある。こんなことする阿呆がここまで来るのかと思うと気が滅入るわ、本当に。
気を取り直して先へと進む。逆光がまぶしい中ノ又。じつに美しい。

Co844を越えて三又へ。流れが入り組んできた。
一発目を左、すぐ先を右。いずれも倒木を越えて進むのだが、その先に広々としたスペースが。ああ、こりゃいいやとザックを降ろす。15:22。
アライテントのタープを大きく張る。「自在結びってどうやるんスか?」「こうだよ、見ててー」とレクチャー。

この幕場は周辺に沢筋があって、おそらく大雨ともなると水が流れて中洲状態になるような地形。だが、雨が降らなければ問題なし。すぐそばの台地も根曲がり竹を処理すれば幕営適地となろう。
薪も必要十分に集まった。昨夜以上におっさんトークが盛り上がったり、しんみりしたり。
