チャボと過ごした夜〜2013桜の頃に

仲井戸麗市、Fighting Guitar Man Tour 2013の最終日。どうにか仕事を一区切り付け、南青山曼荼羅へと。

昨年秋のライブがベースにありながらも、ステージと客席が近いこともあって雰囲気はより柔らかな印象だった。相も変わらず、ギター1本で。カッチョいい。

この日の、個人的な最大の収穫は、キャロル・キングの”You’ve Got a Friend”のカバーが聴けたこと。キャロル・キングは自分としても大好きなアーティストなので、MCでこの曲を演るよと言ったとき「おぉ??」と思わず身を乗り出した。

チャボは、ライブでは洋楽カバーのレパートリーを数多く持っているんだけど、さすがに権利的な問題もあってCDなどでは除外されてしまうことがほとんどだ。だから、ライブでしか聴くことができない。ただのカバーじゃなくて、チャボの手によるオリジナルの日本語歌詞なんだけど、これがまたことごとく、本当に素晴らしいのですよ。

例えば、ブルース・スプリングスティーンの”Hungry Heart”では「誰もが満たされない心を抱えている」といった感じだ。たったワンフレーズで元の楽曲を自分のものにしてしまうあたりは、さすがのひとこと。

で、チャボの”You’ve Got a Friend”である。オリジナルでは、サビの部分はこうだ。

Winter, spring, summer or fall
All you have to do is call
And I’ll be there
You’ve Got a Friend

いつだって、どんなときだって、必要なときには飛んでいくよ。君のともだちだから。要するにそんな内容で、ある意味ポップチューンの様式美。王道とも言えるスタイルだ。だが、それもチャボの手にかかるとまったく違う味わいとなる。

きみが困っているとき、
自分には何ができるだろう、
何をしてあげられるだろう。
ともだちとして。

記憶が曖昧な部分もあるので細かいニュアンスは実際の唄とは異なる。だが原曲の持つ雰囲気はそのままに、視点をガラリと変えることでまるで違うメッセージとなっているのは、おわかりいただけるはず。

もちろん、震災の影響が強いのだが、このカバー自体は311のずっと以前からステージで披露していたらしい。この日も、相馬でのライブの話を幾度もしてくれた。福島を取り巻く状況も「まったく変わっちゃいない。むしろ後退してるんだ」と。

何をしてあげられるだろう。ともだちとして。

一晩中、そのフレーズがずうっと頭のなかで鳴り響いた。

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「チャボと過ごした夜〜2013桜の頃に」への2件のフィードバック

  1. コメント書きそびれていたが、先週この記事を読んでから、YouTubeでチャボの動画をひたすら見ているが、改めて、ギターっていいなあ。とりあえず、俺ぁ弦を張り替えるところからだな。。

  2. オレも弦張り替えた!
    完全に初心者に戻ってしまったが。。。指フニャフニャ。

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