生まれてはじめてMRI検査を受けた

MRIってアレね、竹輪みたいな穴に頭からズコーってイメージだったんだけど、私の場合は円盤型のスキャナーの下に体をよこたえて、じっとしててください、みたいなタイプだった。ちなみにHITACHI製だったな。

コトの発端、つーか原因は膝。

ある夜、布団に入ってからモーレツに痛み出した。満足に寝返りを打つことさえできず、ウトウトとしては痛みで目覚めるの繰り返し。昼間、子供と遊びすぎたせいかもしれない(どんだけヒヨワやねん)。

寝床で苦しみながらもiPhoneで病院を検索し、意外と近所に信頼できそうな整形外科を発見。朝を待ち、カミサンに手伝ってもらいながら着替えて(靴下が自分で履けない)、ヨロヨロと病院へ。

診察室に入ると、なぜかオザキが流れている。大丈夫かココ!?

最初は、痛風を疑われた。確かに尿酸値が高めなのは間違いないので、まずは採血。その後、レントゲン。

問診にて、過去の膝痛について滔々と語る。激しい運動をすると、決まって膝が痛む。趣味の登山に行くと、最終日や下山後、特に激しい痛みに襲われる等々。

レントゲンは異常が見られず、痛風に特有の腫れなどもなかったため、じゃあMRIやってみようか、ということになった次第。

んで冒頭のとおり。膝の部分だけ機材で固定されて、50分くらいかかるんで、寝てていいですよと言われ、ゴンゴンと不気味な機械音がしてたけどウトウトしてたらいつの間にか終わった。

診察室に呼ばれ、一緒にMRIのスキャン画像を見入る。相変わらずオザキがかかっている。ずうっと流してるんだな、きっと。

すると、「あー、これだなー」と原因が発覚。膝の骨と靭帯の間に、小さな梅干し大のデキモノがあるという。グリグリと断面を行ったり来たりするのを見ると、確かに何か異質なものが、骨のところに見える。

デキモノ=腫瘍? 骨肉腫!?とも思ったが、悪性ではないらしい。このデキモノが、靭帯と癒着しているため、メカニカルに痛みが出るそうだ。クルマでいうと、4輪のうちのひとつが、サスペンションがおかしくなってる状態だねー、とのこと。無理して走り続けると、シャーシにもガタがくるんだよねー、とかなんとか。

悪性ではないから、放っておいても支障はない。ただ痛みで悩んでるなら、いっそ手術で除去することもできる。100%の保証はないけど、トライする価値はあると思うよ、ということらしい。

なんかライブ盤っぽい音源でオザキがシャウトする中、そんなことを言われた。

手術はリハビリとセットになるため、一週間ほど入院が必要になるらしい。とりあえず、鎮痛剤(といってもロキソニン)と湿布で様子を見て、手術を希望するなら日程を会社とも相談だよねってことで、その日の診察は終了。

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初めて自分の膝に強い違和感を感じたのは、忘れもしない、2001年に堀内沢マンダノ沢を遡行したときのことだ。

C2の蛇体淵まで辿り着いたものの、どうにも右膝が痛む。これまで感じたことがないような、刺すような痛みだった。

思い当たるフシはあった。出発直前、足を座卓に乗せたままクーラーを付けっぱなしで寝てしまったのだ。朝、こわばった体を起こしたとき、膝に小さな違和感を感じた。

そのまま山に行って、痛みがどんどん強くなり、撤退を余儀なくされた。トシベに全身を攻撃されながら、膝を引きずるようにして泣きながらリニューアル前の夏瀬温泉に下山したのである。

上の写真は、蛇体淵からの下降時、右岸の巻き道を無事に下りて一本取ってるときのカットね。

さて。いずれにせよ、手術はしてもらいたいと思うのだが、問題はそのタイミング。11月の連休を挟むなどして、なるべく仕事にインパクトが出ないようにすべきかなあ〜とか考えちゃうあたり社畜魂全開であるが、年内には済ませたいなあ。

まさかとは思うが、手術中にオザキを聞かされることにはならんだろな……。

或る朝のできごと

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写真はイメージです。

会社へと向かう道すがら。

総武線・中央線に架かる橋を渡っていると、5歳くらいと3歳くらいの男の子の兄弟が柵にしがみつき、母親が傍らに日傘で佇んでいた。

ああ、電車が好きなんだなと、通りすぎようとしたとき。ちょうど中央線の快速が猛スピードでやってきた。

すると子どもたちが、電車に向かって嬌声を上げながら全力で手を振りはじめる。

微笑ましい光景である。

そのとき、思いがけず「ぷあぁぁん」と警笛が鳴った。中央線の運転士が、敬礼をしているのが私にも見えた。

子供たちは、もちろん大喜びである。

大喜びしながら、柵から離れようとしない。きっと次の列車を待つのだろう。暑い中ではあるが、母親は苦笑いというより普通に微笑んで、その口元は「よかったねー」と見えた気がした。

朝からいいモノを見て気分の良くなった私は気合を入れ直し、クソッタレな仕事が山積みのオフィスへと、汗をかきながら歩くのであった。