「藤」のカレーを思い出す

コトのきっかけは、些細な事だった。某巨大掲示板のまとめ記事かなんかで、カレーのトッピングに生卵はどうなのよ?的な議論を目にしたのだ。

確かに、東京ではあんまり生卵をカレーに乗せる人っていないんですよね。関西だと、特に大阪の自由軒のが有名だけど、そこそこカレー&生卵の習慣はあるっぽい。個人的には、浦安の巨大施設でカヌー漕いでた頃は、大盛りカレーに生卵2つってのがデフォだったな。ひとつはご飯でTKGにして、もうひとつはルーに投下する的な。

でも、よくよく考えてみたら、カレーに初めて生卵を入れたのは早稲田の西門通りにあった「藤」だ。あそこは生卵とゆで卵をチョイスできたんだよな。早稲田といえば、カナリヤでももっぱら生スタでした。

「藤」のカレーは本当に絶品だったなあ。口に入れると甘みが広がるんだけど、そのあとにキリッとした辛さがくるという。ただ、学生街なのでライスの量はべらぼうに多い。そんで、どうしてもルーが足りなくなるんだけど、お姉さんが棒読みで「ルーカケマショ」って、おたまでルーを追加してくれるという。

早稲田には、もうカナリヤもなければ藤もない。ついでにフクちゃんもない。オトボケと三品は、まだ頑張ってるっぽい。ジャンジャン焼きと玉カツ牛は、そのうち食いに行かねばなるまい。


てなことをボンヤリ考えつつ、「早稲田 カレー 藤」とかでググってみたわけですよ。出てくる出てくる、オッサンどもの懐古の叫び。あの味を懐かしみ、また食いたいと嘆く声。

すると、とあるブログ記事に行き当たった。それがコチラ。

「カレーの藤」(早稲田大学本部キャンパス裏)追想

神田のカレー屋「カヴィアル」が監修したレトルトが、藤の味にちょっと近いらしい。調べたら、この店は今では神保町の交差点あたりにあるらしいね。今度行ってみようっと。

んで、コメントが40もついてるので見ていたら、「お姉さんがTBしてくれた」とある。

ナニ!? あのお姉さんかよ!?

そのTBした元が、コチラのブログである。

http://romiromih.exblog.jp/720447

なんと、エントリはひとつしかない。どうやら、お姉さんが上記ブログの記事を見て、ついつい立ち上げたはいいものの身バレ(?)してるからか、お礼の記事しか投下されていないという状況のようだ。

元記事ではポパイのオリーブに似てる、みたいな話から自らを「オリーブ*オイル」と記載しているが、悪友のjitai君なんぞは、もっとハイブロウな喩えをしていたものだ。2005年時点では、お姉さんも、おばさんもお元気だったようでなによりである。



藤のカレーの味は、おぼろげな記憶ではあるがインデアンカレーに近いような気がするんだよね。ひょっとしておばさんが関西出身で、あの味を東京で再現したんじゃなかろうかと妄想。そう思って調べたら、2chにそれっぽいログをひとつだけ発見した。

スクリーンショット 2015-11-25 16.29.38

http://hello.2ch.net/test/read.cgi/curry/1070476094/

でもこれ、ひょっとしたら俺が書いたのかもしれない(笑)。

神宮の夜

IMG_1102


久しぶりの神宮球場は内野指定B席。ほぼ外野席よりのスタンド上段で、空が晴れていれば月も見頃かと思ったのだが、伊藤忠の向こうの空は分厚い雲に覆われていた。

5-0というスコアが物語るように、ボツボツと散見されたスワローズファンにとっては厳しい試合となった。8回の山田・畠山の打席が終わると席を立つ人々。相手チームの胴上げを見たくないという気持ちもわかる。つい、15年前の自分を思い出してみたり。

敢闘賞ということで表彰を受ける山田にライトスタンドから声援が上がる。勝者の余裕か、レフトや三塁側からも賞賛の山田コールが。「これはウレシイなあ〜」と、後ろのスワローズファンがひとりごちる。第三戦の活躍は誠にアッパレであったが、それ以外はほとんど抑えられてしまったのが彼にとっての課題か。

IMG_1122

ともあれ、胴上げ試合を見たのは、これが三度目。一度目はONシリーズの長嶋、二度目は2011年西武ドームの秋山、三度目はこの日の工藤である。

やはり黄金期の西武ライオンズというチームは人材的にも素晴らしかったのだなあ。キヨハラみたいなのもいるけど、現在のプロ野球界を見渡せば一目瞭然だ。何十年も野球を見てきたからこそ、実感を伴って味わえるものでもある。つくづく、年を食ったものである。

更地になった旧国立競技場を横目に、心地よい夜風に吹かれながら千駄ヶ谷駅へと向かう。


長いシーズンが終わった。




あ、そういえばなぜか三塁側にTOGINOがいた。熱心なファンだこと。

IMG_1091