小津映画マラソン

昨年の秋から年末にかけて、NHK BSで小津映画をやたらと放映してた。事前に原節子さんのことを知っていたのではないかと勘ぐりたくなるようなタイミングの良さだったが、それを録画して、このところずうっと観てました。

東京物語/彼岸花/お早よう/秋日和/秋刀魚の味

以上5本。

いやー、正直に書くと「疲れた」の一語。どれもこれも名作なんだが、連続して観るもんじゃあないね。東京物語を除くと、主要キャストだけでなくセットも同じだし。まあ予算かかんなくていいんだろうけどw

佐分利信/中村伸郎/北竜二のオッサン3人が、それぞれ会社の重役っぽい役柄で出てくるんだが、よくそれで出世できたな的ないい加減さで笑える。オバチャン枠は杉村春子と高橋とよのツートップ。そんで、若いイケメン枠は佐田啓二という安定布陣。

個人的には『お早よう』がスキ。子供らが、おでこを押されたら屁をこくという芸を必死で身につけようとする様がすばらしい。ついつい「実」を出しちゃう子がなんともいえない。そんな倅のパンツを杉村春子が小言をいいながら洗うわけである。そりゃあ洗濯機も欲しくなるわけだ。


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亭主が屁をこくと「呼んだ?」と女房が出てくるというシーンもよい。こうして書くとなんだか屁の映画のようだが、もちろんそんなことはない。ただ、軽石を砕いて飲むと屁が出やすくなるというのは、ちょっとしたトリビアかもしれない(最終的には否定されていたが)。

あとあれですね。やっぱり岩下志麻は最高ですね。『秋刀魚の味』の嫁入りシーンはグッとくるものがあります。そして、結婚式の夜、独り台所でうなだれる笠智衆の姿には落涙を禁じ得ないのであります。


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「小津映画マラソン」への2件のフィードバック

  1. 春に八ヶ岳に行ったら、
    蓼科の小津の別荘に寄ってみるといいよ。
    俺も移築前に行ったことあるが、
    当時は寂しい建物だったな。
    東京物語以降の作風のヒントが・・無いかw
    笠智衆の別荘もすぐ近くにあるというw

  2. 別荘には興味ないよw
    もうしばらくは小津はお腹いっぱい也。

    あ、書き忘れたんだけど、どれかの作品中でおバカなオッサンたちが同窓会で集まってて、
    笠智衆が楠木正成かなんかの詩を吟じるんだよね。
    その朗々とした節を、めをつむって皆が聞き入るの。
    そんで「いいよなあ〜」と誰かがつぶやき、皆が頷く。

    ああ、これは日本人が失った教養なのだなあと思った次第。

    蛇足でした。

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