オータ君と出会ったのは、10代の頃だ。
高田馬場の駅前にムトウ楽器という楽器屋があったんだけど、昔の楽器屋だからバンドメンバーの募集のチラシ(電話番号を書いた部分を千切れるように切れ込みが入ってるようなやつ)がいっぱい貼ってあるわけです。
内容はよく覚えていないが、オリジナル曲をやってることと、なんとなくの音楽的志向が一致したのであろう。たまたま目に止まったチラシが、私とオータ君のバンドとを結びつけてくれた。
音楽的志向というのも曖昧な言葉だが、おそらくチラシには洋楽ではストーンズ系、邦楽では、たぶん確実にRed Warriorsの名前はあったはずだ。
なぜなら顔合わせのときに、課題曲としてRed Warriorsの曲をいくつか演奏した記憶があるからだ。
私はどうやらおメガネに叶ったらしく、晴れてオータ君のバンドのベーシストとして採用された。
オータ君はライブ終盤のメンバー紹介のとき、必ず「オンドラムス、ワンナイトファッカーオータァ!」と呼ばれていた。もちろん、Red Warriorsのファースト・アルバムに収録されている、WIld Cherryという曲が元ネタである。
たぶん、1回だけナンパに成功した武勇伝をドヤ顔で話した結果、メンバーの不興を買い、このような不名誉な二つ名で呼ばれるようになったのだろう。
ギターのイトー君、ボーカルのマツモトも個性的なメンバーだった。彼らについても書きたいことはいっぱいあるんだけど、やっぱりワンナイトファッカーと呼ばれた男・オータ君は、Red Warriorsについて書こうとしたとき、どうしても触れずにはいられない。
そう。私はRed Warriorsについて書こうとしている。
理由は単純で、先日再結成のライブに行ったからだ。
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