入渓前夜、晩飯は駅前の寿司屋に入った。腹いっぱい食って呑んで、それでもお会計は1万円ちょいとかなりお安い。握りもよかったけど、ホヤが美味かったなあ。新鮮なものをいただいたが、これまで食ったホヤは何だったのか的レベル。三陸の初夏を漫喫。
そして翌朝、駅前からタクシーで滝ノ上温泉へと向かうのだが、その前に人と待ち合わせをしている。コンビニで朝飯を買っていたらケータイに着信。イカ釣り師匠のKちゃんからである。
実は今回は単独ではなく、Kちゃんと二人旅なのだ。
府中の場末の飲み屋で痛飲しながら、イカもいいけどイワナもいいぞとクダを巻いていたら、じゃあ連れてってくれと。どこまで本気かわからなかったのだが、5月の連休明けになっても意思は変わらなそうだったので、急遽計画を立て直した。
本来は沢中で最低2泊、何なら3泊したいくらいなのだが、Kちゃんの仕事の都合でどうしても1泊しかできそうにない。うーん、ほっぽりだして独りで行こうかとも思ったが(笑)、アオリイカでさんざん世話になってるし、ここは折れる。ただ予備日のことも丁寧にレクチャーして、最悪仕事に穴を開ける可能性も呑んでもらったうえで、地形図とにらめっこしながら計画を練った。
沢を行けるところまで行って本流を戻るんじゃあ面白くない。できれば稜線を詰めるあの感覚を味わってもらいたい。かといって中ノ又沢経由だと行程が長くなる。磯を攻めているKちゃんなら沢歩きに関しちゃカンは悪くはないだろうけど、リスクを考えるとC1を大石沢出合に取り、戸繋沢を遡行して乳頭温泉に下山するのが良かろうと結論。
戸繋沢はかつて下降で使った沢だが、ここを詰めたことはないし、今後のことも考えるとバリエーションとして経験しておくのはいいことと、ポジティブに考えることにした。
とはいえ、できれば大滝詣ではしておきたいし、大物はあの周辺で上がるので、入渓日はなるべく早い時間に行動を開始して大滝をピストンしたい。入渓日は早朝行動開始で了承を取り付け(前夜までの盛岡着が前提)、足りなそうな装備をまとめて渡して当日を迎えた次第。
ジブンは前のエントリで書いたように前日入りしてチャグチャグ馬コを楽しんで安ホテルでぐっすり。Kちゃんは、最終の新幹線で盛岡に来て、快活倶楽部(ネカフェね)で一夜を過ごしたようだ。
事前に、駅前の盛楼閣の冷麺が旨いよと教えていたのだが、初訪にも関わらず辛味を別辛にして注文したという。正解。やるではないかオヌシ。
早朝のコンビニで北の地での再会を祝しつつ、朝飯を買い込んでタクシー乗り場へ。西口のほうが雫石方面はスムーズなのだが、めんどうくさいので東口で「滝ノ上温泉まで行きたいんだけども」と告げると「あいよ」と分かってるカンジ。個人タクシーだったからか、さすがに道は詳しいようで幸先が良い(滝ノ上温泉を知らない運転手もいるからね)。
酔っ払い客しかいないような早朝にマンシュウ越え確定客を掴んだからか、運ちゃんは終始愛想が良い。地熱発電所のゲート前で降りて精算後、よかったらコレ、とペットボトルのコーヒーをいただいた。ちょうど買い忘れたこともあって有り難く頂く。
曇り空の下、準備運動をして装備チェック、団配調整など。ゲート前に停まってるクルマはナシ。スーパーカブが1台のみ。Kちゃんは終始テンションが高い。天気も、予報はイマイチだったが、どうやら最悪の状況とはならずに済みそうだ。