『マタギ』を読んだ、これはすごい本だ

数日前に書いた、『ぼくは猟師になった』もなかなかだが、この本のインパクトは別次元。著者はカメラマン。森吉は阿仁のマタギに密着取材し、その営みのすべて、とは言わないまでも、ひととおりを撮影し、一冊にまとめ上げた。

とりわけ、「熊のけぼかい」は白眉。写真として見たのは初めてだなー。要するに解体なのだが、マタギの作法にのっとったその一部始終が、カラーで紹介されている。

個人的には海外でヤギの解体を見たことがあるが(イスラム国だったので、それなりの作法・儀式はあった)、気の弱い人であれば卒倒しかねない内容。だからこそ、この本が出版されたことは非常に意義があるとも言える。命をいただくというのは、こういうことなのだ。

熊のけぼかいから始まり、ウサギ猟、イワナ釣り、キノコや鍛冶などを経て、再び、今度は山中でのけぼかいが紹介される。amazonなんかを見ると評価も高いし、それにどうやら意外と(失礼)売れているようで、世の中もまんざら捨てたものではない。

著者や編集者の心意気が感じられる。素晴らしい本であり、仕事だ。

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