自然薯掘り顛末記

もう2ヶ月ちかくも経ってしまったが、10月末に自然薯を掘りに行ってきた。いくつか前のエントリに書いたとおり、会社の近所のラーメン屋の親父にうまく言い包められて誘われて、新潟県は魚沼まで。

クルマ利用の前夜発ということで、関越をブーンとドライブして未明に魚沼はずれの炭焼き小屋に到着。この炭焼き小屋は、ラーメン屋の親父が懇意にしている農家の持ち物ということで、自由に使って良いことになってるそうな。

2~3時間ほど仮眠を取ると夜が明けた。が、天気は雨である。どーすんだろうと思っていたら、小屋の持ち主のサトーさんがやってきた。御年75歳ということだが、じつにカクシャクとしておられる。見ると立派な羽釜を携えており、「新米炊いてきたから食え」ということらしい。朝から銀シャリをパクつきながら酒を飲む。


なかなか雨が止まない中、こりゃー沈殿かしらと諦めムードであったが、午後になると多少雨脚が弱くなり、どうにかいけそう。泥だらけになること必至ということで、全身ツナギの防護服を渡される。長靴を履き、スコップと鉄製の突きん棒を持ったら、いざ藪漕ぎのスタートだ。

酒を飲みながら小屋周辺でレクチャーを受けたのだが、とにかくまずは芋の葉を見つけねばならない。だが、ちょっと山の中に入るとそこらじゅうにある。芋だらけである。よく似たハズレ芋の葉っぱもいっぱいあるが、見分け方は簡単なのですぐに覚えた。

やはり問題は、掘ることそのものだ。

芋の葉っぱを見つけたら、そいつを辿ってどんな地形から伸びているかを確認する。平らなところのは、却下。掘らない。いや、掘ってもいいんだけど、大層難儀になるのだ。狙い目は、斜面から生えてるヤツ。これだと、平らな地形に比べて掘る土の量そのものを大幅に減らすことができるというわけだ。

だが、一筋縄ではいかないのが自然薯掘りである。芋を傷めないように周りから掘り起こしていくわけだが、地面の下は砂場ではない。そこかしこに、大小硬軟さまざまな岩が隠れており、こいつを鉄製の突きん棒で割りながら掘り進めることになる。

雨に濡れ、ゴアのような高級素材ではない防護服の内側は汗でムレムレ。30~40分かけてようやく1本ゲットとか、そういうペースでオジサンたちの気勢も上がらない。

ちなみに初日は4名で掘ったが、収穫は10本にも満たなかった。早々に諦め、炭焼き小屋に戻りイノシシ鍋を喰らい、酒を呑む。うーん、何しに来たんだか状態である。

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翌日。帰りもあるので時間はそうそう取れないなか、サトーさんが目星をつけておいてくれたエリアに移動すると、果たしてそこは自然薯天国であった。土も柔らかで、大きな石もほとんどない。ガーッと2時間近く掘りまくって、どうにか形にはなった。ついでに沢筋でミズを発見。季節はずれではあるが、適当に摘んでベースに戻る。

集めた自然薯は人数分に大まかにわけて、マタギ勘定。ジャンケンで買った順に取っていく。そこそこの収穫にはなり申した。

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帰路、サトーさんのお宅に寄り、オッチャンたちが新米(魚沼産コシヒカリ)を譲り受けていたので、じゃあアッシもと30kgの玄米をオーダー。後日送ってもらうことにした。

あんまり考えてなかったのだが、自宅近辺には精米所がない。しかたがないので、1万円少々で家庭用精米機を購入。

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届いた玄米を精米し、自然薯でトロロを作り、食べてみた。

ううむ、この歳になって初めて知ったが、精米したてのコメの、なんと美味いことよ。トロロもネバネバパワーがふつうの山芋とは段違い。家族全員が、トロロごはんバキュームと化してしまった次第。


それにしても。

オッサンたちのパワフルさを見るにつけ、まだまだ老けこむ年齢じゃないなーと反省しきり。体力の上がり目がないのは重々承知だが、徐々に生活改善して、いずれは上ノ廊下、なんちゃらピンガと相対したいものだ。うむ。

「自然薯掘り顛末記」への3件のフィードバック

  1. 天然の自然薯掘りを都会人に提供してくれる
    山里のおじいさんとラーメン屋の店主の関係の
    なりそめが知りたい。

  2. なんか、釣りしてたら声かけられたとか言ってた(曖昧)

    こんどラーメン食いにいこうぜ。

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