ムーンライダーズというバンドの音に初めて触れたのは、高校生の頃……かな。たしか、懐かしきレンタルレコード(You & Iっていうチェーンね、これって全国展開してたのかな?)で借りた『Amateur Academy(アマチュアアカデミー)』という名盤。ガツンとやられて、それ以来ずーっと毒され続けている。
ムーンライダーズのどこがいいのかと言われると、答えに窮する。まったく、どこがいいんだろう(笑)。ボーカルの慶一さんは……ムチャクチャ歌がうまいわけでもないし、実際、このバンドが日本の音楽シーンで「売れた」ことなど、一度たりともないんじゃなかろうか。それこそ、トレンディードラマの主題歌でも手がければよかったのに。
曲がいいとか言っても、すこぶる平板なんだけど、ただ、彼らを語るうえでいくつかのキーワードはある。内省的であり、時にエキセントリックで退廃的、度肝を抜かれることもしばしば。「やられたなぁ」という爽快な敗北感を、何度も味わうことができるのが麻薬的なんだろうと、軽く自己分析。まぁ、あくまでも個人的な見解なんでこの程度で。
んで、そのムーンライダーズの前身バンド、はちみつぱい 『センチメンタル通り』を、ムーンライダーズ歴20年にして、初めて買った。
とにかく、音がいいです。これはビックリ。オリジナル音源を24bitリマスターしたってことなんだけど、この時代の音としては、ビックリするくらいクリアで迫力がある。アコギの音なんて、とても30年以上前の作品とは思えないほど。AACにエンコードしてもそれはハッキリしていて、時代的に同じ頃の、はっぴいえんど作品(リマスターされてないやつ)などと比べると特に明確だわ。
内容ですか? 少なくともここ数日、自分のiPodはこのアルバムばかり繰り返し再生してる。クドクドとは申しませんが1曲目の『塀の上で』だけで、もう金を払う価値はあったと確信したくらい。今頃になるまで聴かなかった自分を恥じ入りましたよ、えぇ。
思えば、軽薄な音楽を忌み嫌うようになって(軽快な音楽は好きですけど)、自分の人生は軸がちょっとずつズレてきたような気がする。そのきっかけとなったひとつのバンドがムーンライダーズであるのは間違いないわけで、死ぬまで頑張ってほしい。本人たちにはそんなつもりはないんだろうけど、日本の音楽シーンをアジテートし続けてほしいのでありますよ。
こんにちわ。カレーの件と併せて記載。友達にメールでボンベイのことを聞かれ昔の雑誌を引っ張りだしてきた浜松在住です。音楽ネタでは金森幸介やシバが好きで時々ライブに出かけています。なんとなく近鉄ネタと言い世代がかぶるようで面白く拝見させて頂きました。