パラリンピックが面白すぎる件

さっそく日本人選手もメダルを取ってるようです。柔道の藤本選手は惜しくも4連覇ならず。っていうか、3連覇してたことなんて知らなかったわけですが……。

NHKのスタジオに呼ばれてインタビューを受けてましたが、帯を譲り受けたという先輩からの伝言を聞いた途端、スイッチが入ったかのように号泣してたのが印象的でした。平常心を保ってたのが、イッキに壊れちゃったんだなあ。まさに漢泣き。スタジオもオロオロしてたのが伝わってきたけれど、いい涙だと思います。

ゲストの山下さんも触れてたけど、パラリンピックって国ごとの温度差が非常に激しいんだね。日本の場合は、ほとんどが普段の競技活動においてロクな支援がない。ただでさえ健常者に比べてさまざまなハンディキャップを負っているというのに、自腹で遠征や大会に出たり、あるいは仕事が休めなくて出られなかったりするそうだ。また驚くことに、オリンピックへの参加自体も、何割かは自腹を切ってるらしい。ホントかよ。

このへん見て愕然。

番組内では、井上康生が、柔道のパラリンピックチームの練習を偶然見て、そのあまりの道着のボロボロさに、自分のお金で柔道着やなんかをプレゼントしたいと山下さんに相談に行ったっていうエピソードがよかった。そういうのがきっかけで連盟が動いて、柔道に関しては道具の支給や健常者との合同合宿など、すこしずつ良くなってきてるらしい。

ただ単に駅にリフト付ければいいってもんじゃなくて、やっぱりきちんと想像力働かせて、国も社会も考えねばならない問題なんだろうなあ。

ゴールボール初戦はアメリカに0-2で敗戦。今日は現地21時からスウェーデンと。今日も22時までには帰宅せねば。
http://results.beijing2008.cn/WRMP/ENG/Schedule/index.shtml

がんばれ浦田理恵ちゃん

オリンピックが終わったばかりの北京だが、今日6日からはパラリンピックが始まる。じつは今年のパラリンピックには、ちょっと注目しているのだ。なんでかというと、浦田理恵ちゃんがゴールボールの日本代表として出場するからである。

本当に偶然にも、その番組を見ることができた。九州朝日放送(KBC)のドォーモ内のコーナー、「見えない生活」である。なんかの賞を取ったということもあるのだろうが、以前、東京の深夜帯で続けて放映されたのだ。

……ちょっと、というか相当感動した。

いまではYouTubeに辛うじて一部の動画が上がっているだけだが(ニコ動のなんかは削除されたみたい)、できれば自分のところのサイトで丸ごと見られるようにしてもらいたいものである>KBC

理恵ちゃんの病名は、網膜色素変性症といい、現代医学を持ってしても治療は不可能とされている。徐々に視力が下がり、視野が失われ、やがて失明するという、自分がそんなのにかかったら自殺しちゃうんじゃないかと思うくらい、つらい病気だ。彼女の場合、20歳くらいから徐々に見えなくなったそうで、いまでは健常者の5%くらいの視野だそうだ。5%といっても、ぼんやりとしか見えず、コントラストの強いものしか識別できない。そんな世界の中にいる。

ところが理恵ちゃんは、番組内で底なしの明るさを見せ、とてつもなく前向きに生きる様を見せてくれる。普通に道を歩き、スーパーで買い物をして、自宅(なんと一人暮らしだよオイ!)では自炊もしている。お化粧もする。ついでに言うと、とてもカワイイ。

●「見えない生活」特設サイト

しみじみ思う。強いオンナは、いいオンナだ。

なお昨夜、ゴールボール日本代表のエース格選手に焦点を当てた番組がNHKで放送されており、その中でも理恵ちゃんの元気な姿が映っていた。このエントリもそれに触発されたわけだが、北京パラリンピックは、教育テレビで放送されるみたい。
【補足】
期間中の夜10時から教育テレビでダイジェスト。その再放送が翌日午前10時から総合テレビでって流れっぽいです。

海外のチームは、ガタイの大きさにモノをいわせたパワープレイ。対して日本は、どうしえてもディフェンシブにならざるを得ないという。前回のアテネでは銅メダルだったが、果たして今回はどうか。

最後に、ゴールボールについて簡単に。

バレーボールと同じ広さのコートで、鈴が中に入ったボールを、3人ずつに別れてお互いに投げ合う。ゴールに入れば得点。ただそれだけ。視覚障害者を対象としており、弱視や全盲など症状に差があるため、目隠しのゴーグルを付けて行う。要するに、真っ暗闇の中、ボールの音だけを頼りに攻守を行うのだ。守る方は全身を使って攻撃を防ぐ。反射神経が、相当要求される。KBCの番組でも見たけど、これけっこうハードなスポーツだと思う。さらに、見ていても面白い(wikiはこちら)。