この週末はサッカー三昧だった。土曜日のCSは、アレックスがFKを直接決めた時点で浦和の勝ちを確信、飲み会へと出かけたが、携帯の速報で延長の末にPKで負けたことを知る。恐るべし、岡ちゃん&横浜DF陣。
日曜日は、最後のトヨタカップ。こちらも延長までやっても勝負がつかず、PKでFCポルトが勝利。う〜ん、南米勢に頑張ってもらいたかったが……。
なにしろ、重い話だ。たったひとりの家族である娘が何者かに連れ去られ、レイプされ、挙げ句、死体となって発見される。犯人は十代の若者であり、現代の司法がその罪を厳しく償わせることはない。父親は、犯人を司法にゆだねるのではなく、自らの手で復讐することを決断する。
『秘密』や『トキオ』のような作品が好きな東野ファン層は、物語全体を支配する重苦しいトーンが苦手かもしれない。私は独身で子供がいないのに、胸が締め付けられそうになった。ましてや年頃の子供がいる人なら、この物語のテーマは読んでいてツライのではないか、とも思う。
だが父親が、そして警察が次第に犯人を追いつめていく物語中盤以降の展開は、さすがの筆力。2段組、368頁というボリュームも苦にならずに読み進められる。やがて作者が用意した「救い」に気づいたとき、評価は一変するだろう。
この作者、基本的にイイ人なんだよなぁ。ほんとうに「やさしい話」を書かせたら、現代作家の中ではピカイチなんではないかと思う。読み終えて、いい気分で一杯飲んでたら、飲み屋に本を忘れてきてしまったのが痛恨……。