インターナショナルアーケードを歩く

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週末、山仲間と飲んだ。場所は、なんとなく辛子蓮根と馬肉が食いたくなり、適当に検索して見つけた店。そうとは知らずに行って驚いたのだが、インターナショナルアーケードにあったのだ!

ここは昔、アド街で見ていつか行ってみたいなーと思っていたので、偶然に感謝しつつ、美味い馬肉を焼酎で流し込んだ。シメは馬肉の寿司。

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その後、酔い覚ましにインターナショナルアーケードを新橋方向に歩く。さすがに店舗はすべて閉まっていたが、そこはかとない廃墟感がたまらない。

新橋側のドン突きは駐車場になっており、その先はというと、和民関係の店が入っていて通り抜けることができない。裏から回ると呼び込みがいて、危うく和民で二次会になってしまうところだったが、奥を覗いてもいいよということで、ありがたく見学させていただいた。

あー、イイヨネ!

ちなみにその後、新橋のバーで二次会のあと「二郎食おうぜ!」と勢いでインスパイア系に突入。ニンニクマシマシ。帰りの電車で迷惑をかけてしまった。

MOROHAという若者たちのこと


きっかけは、新井英樹がジャケットのイラストを描いたというニュースである。「へ?」と思いつつ確認すると、確かに暑苦しい新井英樹のタッチで若者二人が描かれていた。ってかキーチと甲斐みてーだな、これ!?

「MOROHA」という名はそのとき知った。

ところが「ラップグループ」という言葉による警戒心というか、「まいっか」的な偏見的先入観が勝り、それ以上追うことはなかった。なんていうかさ、踊るための音楽というかマイルドヤンキー的な印象が強くてさ。思えばこれが痛恨の極み。新井英樹が腑抜けな音楽に共鳴するわけなどなかったのだ。

新井英樹は、最も好きな漫画家のひとりだ。最近も「空也上人がいた」という大傑作を世に出したばかり。相変わらずセールスはパッとしないようだが、マンガHONZ超新作大賞にも選ばれ、堀江貴文などと対談もしているので大いに注目されるに違いない。IKKIの最期を飾った作品ということもあるが、紛れも無い名作なのでこのブログを読んでいる紳士淑女の皆様におかれましては、もれなくお買い上げ頂きますようお願いする次第。

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そう、それでMOROHAの話だ。なんとこれまた当ブログにて大プッシュされているアーティスト、寺尾紗穂様が、そのMOROHAとライブを行うという。

ともあれ、コトここに至ってはさすがに看過できず。たまたま訪れたタワレコにてMOROHAを試聴したところ、これがヘッドフォンしたまま石のように固まってしまうような衝撃を受け、ひとしきり聞き終えると2枚のアルバムをレジに持っていったのであります。

ところで寺尾紗穂は3月18日に新アルバムが出ますね。収録曲の多くは過去のライブでも何度か演奏されており、紛れも無い名作なのでこのブログを読んでいる紳士淑女の皆様におかれましては、もれなくお買い上げ頂きますようお願いする次第。

とりあえず「楕円の夢」のPVを貼り付けておこう。ライブのMCでは「楕円というのは中心がふたつあるんです」と語っていた。中心がふたつ。わかりますね?え、わからない? んもー。


ということでMOROHA素晴らしいよ、というお話です。なんていうか、和製のラップとかヒップホップみたいなのって、どれもこれも同じカラーというか、そんな偏見がありました。実際はちがうのだなあ、というのがよくわかった。

ていうかね、タワレコで初めて耳にしたときの印象ってのは、もうラップだのヒップホップだのを超絶していて、「これはビート詩人ではないか!?」というものでした。ケルアックとかギンズバーグとか。

なんつってもMCとギターだけ。そのギターってのがシンプルでいてかなり高度なテクニシャン。声とギターのみ。その潔さ。そのわりに深さ。重さ。わざとらしく韻踏んでんじゃねーよ、という感じですが、これは新井センセイも好きそうだわー。寺尾女史は、なんでいっしょにライブすることになったか、経緯はわかりませんが、なんとなく通じ合うものはあるような気もする。

若い、とか青い、とか言う人は言うだろうし、そういうのもひっくるめて良いと感じてます。でもこのスタイルを曲げずに作品を作り続けて欲しい、と切に願っています。

問題のライブですが、5月3日に熊谷だって。うーん、その日付は実家に帰っちゃってるから行けねーヨヨヨ。誰か代わりに行って、感想を聞かせて欲しい……。

よくよく見たら、MOROHAってRoseRecordsじゃないですか。Roseは曽我部恵一が主宰するレーベルでありまして、結局のところ、自分が敬愛するアーティストたちとの接点がここまであったにも関わらず、これまで聞こうともしなかったことに対して無性に腹が立つ次第であります。

とりあえず「三文銭」という楽曲のPVだけ貼り付けておこうっと。興味があったら他のも探してみてください。このブログを読んでいる紳士淑女の皆様におかれましては……。

ドリームはカムしてトゥルーにならず
ドリームはゴーしてトゥルーにしていく

↑こーいうの、なんかいいなーって。

石田徹也という画家のこと

思えば2012年のNHKお正月ドラマ「とんび」を見て、踊ろうマチルダに出会った。あのドラマのEDで使われていた「箒川を渡って」がココロに突き刺さった瞬間のことは、今でもよく覚えている。

今年の正月のこと。年末に放送された山田太一脚本のドラマ「ナイフの行方」をなんとはなしに通勤中に見ていた。

松本幸四郎が演じる老人が、通り魔未遂事件を起こした青年と同居生活を送るという謎めいた展開で、なかなかに面白い。だがドラマの内容以上に、EDに映し出されたとある画家の作品に目が釘付けになった。またしてもココロに突き刺さった。

画家の名は石田徹也。31歳で夭折しており、静岡県の焼津出身という。同郷ということもあるが、その独特な画風はじつに印象的だ。ちょっと公式サイトから画像を拝借しておく。

<飛べなくなった人>


<無題>


<兵士>

思わず画集を注文してしまいました。ちょっとお高いけど全作品集のほう。

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いやー、なんというかズッシリくる。好き嫌いは激しいと思うのだが、頁をめくる手が鈍るほど、ひとつひとつの作品に重みがあり、見入ってしまうのだ。

なんたるリアリティ、なんたる質量。孤独、叫び。幸福になると描けなくなくなるからと、彼女と別れたなどというエピソードもあるようで、まさに生命を削ってキャンバスに向かったのだろう。死因は電車事故とのことだが、自殺なのか事故なのかは不明らしい。嗚呼。

3月25日まで、静岡県立美術館で企画展をやってるんだよなあ。行きたいなあ……。