MOROHAという若者たちのこと


きっかけは、新井英樹がジャケットのイラストを描いたというニュースである。「へ?」と思いつつ確認すると、確かに暑苦しい新井英樹のタッチで若者二人が描かれていた。ってかキーチと甲斐みてーだな、これ!?

「MOROHA」という名はそのとき知った。

ところが「ラップグループ」という言葉による警戒心というか、「まいっか」的な偏見的先入観が勝り、それ以上追うことはなかった。なんていうかさ、踊るための音楽というかマイルドヤンキー的な印象が強くてさ。思えばこれが痛恨の極み。新井英樹が腑抜けな音楽に共鳴するわけなどなかったのだ。

新井英樹は、最も好きな漫画家のひとりだ。最近も「空也上人がいた」という大傑作を世に出したばかり。相変わらずセールスはパッとしないようだが、マンガHONZ超新作大賞にも選ばれ、堀江貴文などと対談もしているので大いに注目されるに違いない。IKKIの最期を飾った作品ということもあるが、紛れも無い名作なのでこのブログを読んでいる紳士淑女の皆様におかれましては、もれなくお買い上げ頂きますようお願いする次第。

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そう、それでMOROHAの話だ。なんとこれまた当ブログにて大プッシュされているアーティスト、寺尾紗穂様が、そのMOROHAとライブを行うという。

ともあれ、コトここに至ってはさすがに看過できず。たまたま訪れたタワレコにてMOROHAを試聴したところ、これがヘッドフォンしたまま石のように固まってしまうような衝撃を受け、ひとしきり聞き終えると2枚のアルバムをレジに持っていったのであります。

ところで寺尾紗穂は3月18日に新アルバムが出ますね。収録曲の多くは過去のライブでも何度か演奏されており、紛れも無い名作なのでこのブログを読んでいる紳士淑女の皆様におかれましては、もれなくお買い上げ頂きますようお願いする次第。

とりあえず「楕円の夢」のPVを貼り付けておこう。ライブのMCでは「楕円というのは中心がふたつあるんです」と語っていた。中心がふたつ。わかりますね?え、わからない? んもー。


ということでMOROHA素晴らしいよ、というお話です。なんていうか、和製のラップとかヒップホップみたいなのって、どれもこれも同じカラーというか、そんな偏見がありました。実際はちがうのだなあ、というのがよくわかった。

ていうかね、タワレコで初めて耳にしたときの印象ってのは、もうラップだのヒップホップだのを超絶していて、「これはビート詩人ではないか!?」というものでした。ケルアックとかギンズバーグとか。

なんつってもMCとギターだけ。そのギターってのがシンプルでいてかなり高度なテクニシャン。声とギターのみ。その潔さ。そのわりに深さ。重さ。わざとらしく韻踏んでんじゃねーよ、という感じですが、これは新井センセイも好きそうだわー。寺尾女史は、なんでいっしょにライブすることになったか、経緯はわかりませんが、なんとなく通じ合うものはあるような気もする。

若い、とか青い、とか言う人は言うだろうし、そういうのもひっくるめて良いと感じてます。でもこのスタイルを曲げずに作品を作り続けて欲しい、と切に願っています。

問題のライブですが、5月3日に熊谷だって。うーん、その日付は実家に帰っちゃってるから行けねーヨヨヨ。誰か代わりに行って、感想を聞かせて欲しい……。

よくよく見たら、MOROHAってRoseRecordsじゃないですか。Roseは曽我部恵一が主宰するレーベルでありまして、結局のところ、自分が敬愛するアーティストたちとの接点がここまであったにも関わらず、これまで聞こうともしなかったことに対して無性に腹が立つ次第であります。

とりあえず「三文銭」という楽曲のPVだけ貼り付けておこうっと。興味があったら他のも探してみてください。このブログを読んでいる紳士淑女の皆様におかれましては……。

ドリームはカムしてトゥルーにならず
ドリームはゴーしてトゥルーにしていく

↑こーいうの、なんかいいなーって。

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