追憶のチャーシューメン

初めて一人で飲食店に入り、注文をして会計までしたときのことを覚えているだろうか。

私の場合、それはおそらく小学生高学年の頃。場所は近所の蕎麦屋で、小遣い銭を握りしめて食べた「かけそば」だった。

実を言えばその蕎麦屋の娘さんは同じ小学校の同学年だったりもして(仲が良かったわけじゃないけど)、同じ町内ということもあってか心理的ハードルはそのぶん低かったものの、店頭のサンプルをを食い入るように見て金額を確かめて、恐る恐る中に入りビクビクしながら注文をした。それが、最も安価であったかけそばで、おそらく当時は200円前後だったのではないかと思う。


緊張のせいだろう、味はよく分からず。とにかく一心不乱に食べ、手汗でベトベトになった小銭を差し出して逃げるように店を出た。

そんな思い出がありながらも、こちらの蕎麦屋で蕎麦をいただいたことはほとんどない。ヘタをすると、このときのかけそばが唯一かもしれない。

なぜなら、ラーメンがとても美味い蕎麦屋だったからだ(またラーメンの話ですみません)。

続きを読む 追憶のチャーシューメン