お久しぶりです。ボチボチ再開します。
えーと。このところ、漫画アクションの質が非常に高くなってきた。北朝鮮系を筆頭とした社会派作品に目が行きがちではあるが、谷口ジローがシートン動物記を描いていたりと、なかなかの盛況ぶりだ。
そんな中、満を持してと言うか、『オールドボーイ』効果を狙ってかは知らないが、土屋ガロン原作の『快男子SANIWA』という作品が、作画ふんわり氏で前号からスタートしている。
これは、問題作だ。土屋ガロン=狩撫麻礼というのはもうみんな知ってるわけだが(笑)、名作『ボーダー』に触れた人であれば、あの主人公・蜂須賀のその後というのはとても気になるんじゃないだろうか。果たして彼は、そして久保田や木村はこの21世紀という時代、どう生き延びているのか、いや、果たしてあのスタイルをいまだに貫き通しているのだろうかと一度は夢想したことがあるはずだ。あ、あるよね?
当然だが、土屋ガロン的には過去のそうした作品の続編なんぞに執着するわけもなく、愛読者としては今も幸せな空想に耽ることができるわけだが、この作品、もう手に取った瞬間に「これは21世紀版ボーダーだ!」と勝手に解釈してしまったくらい、いわゆる「あのオーラ」が満ち満ちている。
「義理本位制の地域通貨、それは善良な”市民”の世界では限界はあるが、”アウトロー”と”繁華街”の特殊な世界ならば……あり得る」
ボーダーでは「あちら側」と「こちら側」的な対立に端を発した、リタ・マーレイ&ウェイラーズをバックにしての東京ドームライブでマーケッターに勝利した蜂須賀だが(すんごい要約だな…)、この最新作でも主人公・SANIWAは既存の価値観に対して真っ向から勝負を挑んでいる。オールドボーイは、ややセンチメンタルにすぎたきらいもあるが、この物語は数々の可能性を想像させてくれるという意味で、明らかに強力なパワーを内包している。「どうやってオチをつけるんだろう」といった心配は野暮。もう、久々にアクションを毎号買おうと思っている次第でありますよ(ちなみにいまは、月2回刊だ)。
現在発売している号で2回目なのだが、騙されたと思ってマンガ喫茶にでも行って前号も探してみて欲しい。マジで、損しないと思います。
なお、アクションにはもう一人、どうしてもネタとして書いておきたい作家がいる。それはまた、近日中に……(とかいって、次に書くのは半年後だったりして)
ミュージカル・バトン/市川拓司さん/ジョン・レノンミュージアム
ミュージカル・バトンを受け取ってみました。そして、バトンを渡す5人を選んでみました。