地方出版に光あり

盛岡・八幡平紀行2010〜その1

アンタばっかり夏をエンジョイしやがって、ズルイ! と家人に迫られた。じゃあどこへでも連れてってやるから行きたいところを言い給え、と切り返したところでノーアイデアだったりするもんだから、タチが悪い。

海と山、北と南でどちらが良いのだと問えば、どちらかというと山、できれば涼しいところと。

じゃあ東北しかねーじゃん。あれ?

そんなわけで、急遽盛岡へ。2泊の予定で、松川温泉と駅前の東横インを予約。もちろん、レンタカーも手配。

温泉つかって、美味いモンでも食えればいいだろ的にノホホンと考えていたところ、盛岡駅に着いてすぐ、駅ビルの書店で足が止まり、釘付けになった。

妙に棚作りが面白いなあと思ってよくよく見たら、「さわや書店」さんじゃないですか、ココ。盛岡にはもう何十回と来訪していたくせに、これまでまったく気がつかなかった。不覚。

さわや書店といえば、外山滋比古の『思考の整理学』。この20年以上も前に出た本が、近年バカ売れしてるんだけど、そのきっかけになったのが、コチラのPOPだったというのは出版業界ではわりと有名な話なのですね。

詳しくは版元のちくま書房のページに。ここで登場している松本さんのほかに本店の伊藤店長という方も有名で、読書量がハンパないそうだ。朝4時起床で1冊読み終えてから出社、ひと月で30〜60冊は読むという。変態。

上にそんな人がいるせいか、コチラでは書店員みんな本をよく読むらしく、それが手作りのPOPにも滲み出ていた。がんばってるなー。

通路側の一番目立つところには、地元本コーナー。ここの、タウン誌のクォリティーの高さには驚愕である。盛岡・秋田・青森の北東北三県をエリアにした「rakra」、そして岩手・盛岡中心の「てくり」は、特にココロに刺さった。

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タウン誌といったらちょっとした記事に、あとは広告も兼ねた飲食店などショップ紹介で埋め尽くされ、スカスカしたイメージだったが、どちらもしっかりとした取材がベースの特集など、読み物が充実している。なによりデザインがいい。

秋田の無明舎出版も大好きな版元さんだけど、アタクシ、こーいうのに弱いんです。志の高い編集者の姿が想像される。思わず適当に2〜3冊ずつバックナンバーを見繕って購入。

東京なんかにいなくっても、さらにはインターネットやら電子書籍やら関係なく、良質な出版活動は可能なのだなあ〜と当たり前のことを再認識した。それを受け止められる、盛岡をはじめとした北東北の文化度の高さも要因であろう。すばらしい土壌。

帰京後さらにじっくり読み、その感がますます強まった。定期購読しようかどうか悩んでいます。

さわや書店ではもう一冊、非常に素晴らしい本を手にすることができたのだが、それはまた、後日のエントリーで。テヘ。

「地方出版に光あり」への4件のフィードバック

  1. これは凄い。
    俺もタウン誌は大好き。
    同人誌やりたいなあ?
    ジダラキスト復活させたし、、、、

    編集するガッツがないが。。。

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