日本一のブナを見に行く

紅葉シーズン真っ盛りということもあり、奥入瀬一帯は目を覆いたくなるような大渋滞。だがその喧噪も、道を一本隔てるだけで嘘のような静寂が訪れる。

日本一とされるブナは、そんな森の中に佇んでいた。

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地元の人々の間には、3本に分かれた木には神が宿るという考えがあり、伐採を免れたと言われている。真偽はともかく、ツキノワグマに齧られた看板によると推定樹齢400年、樹廻り6.01mとある。

その樹容は、なるほど圧倒的な存在感。写真ではわかりにくいが、人間との対比でいうとこんな感じ。まわりのフツーの樹々が細く見える。

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2007年10月、このブナが「正式に」発見され、それまで日本一と認定されていた和賀山塊にあるブナに代わって日本一になったそうだ。

比較的アプローチが容易なこともあって(ググればいくらでも出てきます)、最近では訪れる人も増えたのだろう、根元にはぐるりと囲いが設置されている。

こうした姿を見ると、日本一だと祭り上げられてしまったブナに対して畏れ多いやら申し訳ないやら、物見遊山で見に来た後ろめたさから複雑な心境になってしまった。

巨木であるが故に尊いのではない。巨木を育む環境こそが本当に尊いものなのだと、当たり前のことを思ったりするのであった。

というわけで、性懲りもなく青森に行ってきました。しばらく続けます。

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