dai君のblogで知り、昨日、三浦知良の新書『やめないよ』を購入。出勤前に喫茶店でしばし読みふける。きっと今日あたり、いくつかの書店では売り切れて姿を消しているのではないだろうか。
とにかく、昨夜のチャリティーマッチのゴールはすごかった。素晴らしい反応と切れ味。そして僅かな隙間を付いた正確なシュート。
ここ10年は、正直、ピーク時とは程遠い姿に、無理くり現役にしがみついているようにしか見えなかった。いい加減引退すればいいのに、とは誰もが思っていたことではないだろうか。実際、交代出場してしばらくは「周りに付いていけてねーなー」と感じていた。そのカズがゴールを決めた。
ドーハの悲劇、フランスに置いてきた魂、そして44歳という年齢。絶頂からどん底、そして長い低迷を経ての昨夜の姿は、震災地のこれからに重なるような気がして、目から流れる汁が止まらない。東北でどれだけの人間が見ていたかはわからないが、物資や救援の手とは別の何かを、確実に届けることができたのではないかと思う。
そして何より、私のような、震災後にただただ無力感を感じて、やる気が失われていた人間の尻に強烈なキックを見舞ってくれた。ありがとう!
こういう人のことを、本当のスーパースターと呼ぶのだろう。
公式記録に載らない「歴史的な一夜」(スポーツナビ)
この日、カズが放ったゴールと直後に披露したカズダンスは、下を向いて原稿を読む総理大臣の言葉よりも、はるかに国民に勇気と希望と自信を与え、そして「まだまだ日本は大丈夫だ」と思わせるだけの説得力があったということである。(宇都宮徹壱)
ザッケローニ監督 チャリティーマッチJリーグ選抜戦後会見(スポーツナビ)
わたしはゴールを決められるのは嫌いだが、わたしのキャリアの中で相手に決められてうれしかったのは今日が初めてだ。(アルベルト・ザッケローニ)
三浦知良著『やめないよ』より
僕の場合、23年落ちの車体でレースに出ているのと同じだ。鍛え続けてきたエンジン(心肺機能)は強いけれど、一度走るとタイヤ(筋肉)がすごくすり減るし、サスペンション(間接)への負担も大きい。だから専属エンジニア、つまりトレーナーや調理師にケアしてもらいながら戦っている。時々、彼らの指示を無視して夜の六本木・麻布方面へ”テスト走行”に出掛けることもあるけれど。
ぐっとくるセリフ満載の本だよ。
中年にはタマランですなあ。