毎度おなじみの大国魂神社。新しくなった「随神門」の屋根もギラギラ感が薄れ、程よく落ち着いてきました。まだ柱の地肌なんかがピッカピカだけど、そのうち雰囲気も馴染んでくるかな。
大国魂神社には、本殿以外にも、いわゆる摂社、末社、所管社が敷地内に祀られています。お酒の神様を祀った松尾神社や東照宮、酉の市で有名な大鷲神社などなど。お稲荷さまも。
そんな境内摂社のひとつに、宮乃咩神社(みやのめじんじゃ)がある。
祭神は、天鈿女命(あめのうずめのみこと)。芸能の神ということだけど、一般的には、天照大神が天岩戸にたてこもったとき、おっぱいポロリ、お股全開のスッポンポンになって踊り騒いで、まんまと天照をおびき出した方、と言ったほうが通りが良いかもしれない。Wikiあたりだと「日本最古の踊り子」なんて記述もある。
宮乃咩神社が創建されたのは景行天皇の時代といわれ、西暦でいうと111年だそうだ。つまり、大国魂神社本殿と同じく、今年で鎮座1900年ということになる。そういった事情もあるからなのか、随神門の「ついで」なのか、寄付金が予想以上にいっぱい集まったからか、建替え中で、暫定的に小さなお宮が設置されている。
先日訪れたときは、屋根も銅版で葺き終えたようだし、あと少しで完成しそう。ちょうど上棟祭が行われた直後らしく、その式次第が掲示されていた。午前中に来ていれば、「散餅散銭之儀」に立ち会えたのかもしれない。くぅ。
ところで天鈿女命は安産の神でも知られており、古くは北条政子がこの宮乃咩神社で安産祈願をしたらしい。
鳥居の横にはお札の奉納台があるのだけど、これがちょっと変わっている。基本的には女性が手を合わせて祈っている絵柄で、お札台の隣には穴の空いた柄杓がギッシリ。
このお札や柄杓、社務所でも販売されているのを見たことがない。気になって質問してみたら、神社側で指定の札があるわけではないが、女性の絵柄の札は、近所の商業施設・フォーリスで売ってるとのこと。柄杓は、どこで買ってもよいそうだ。
<後日調べてみたら、水が抜けるよう安産でありますようにと、底の抜けた柄杓を奉納する風習が全国各地に残っているそうだ。なるほど。>
帰りにフォーリスに立ち寄り、お札と柄杓を探してみた。最初、金物屋にて柄杓を発見したのだが、いたって普通のカネ柄杓。「これに穴を空けるとしたら、釘とか使うんですかね?」と尋ねてみたら、店のおばさんは「ひしゃくに穴空けたら使い物にならないじゃないかさ」などと、おもしろくない冗談を言われたような不機嫌そうな反応。
そそくさと立ち去り、フロア内の店舗をひと通り探してみたら、文房具屋の奥にひっそりと置いてありました。
宮乃咩神社の例祭は、毎年7月12日に行われるので、それまでには工事も終わるに違いない。
お札と柄杓を奉納するならそのタイミングかな。見物がてら、行ってみよう。