個人的には、今回の旅で最大の収穫が2泊目の宿であった。あまりにも素晴らしいというか、自分のツボにズッポシ嵌ったのだ。そのわりに、地元の人もあまり知らないような「穴場」なので、ここで大いに宣伝しておきたいと思う。
なにから書こうかな、まぁまずはロケーションかな。
場所は、その名の通り松江城のお堀の北側、武家屋敷跡がいっぱいある塩見縄手というエリアです。小泉八雲の記念館や、昨日のエントリのコメントで書いた八雲庵という蕎麦屋も並びにある。
そんで、ここはもともと松江藩の中級藩士が住んでいた家をそのまま改築して使っているんですね。景観保護のために大きな看板も付けられないこともあって、地元民でも知ってる人が少ないんだとか。
面白いのは、この宿は1日1組限定ってこと。だから必然的に一棟貸切です。全部で5部屋もあるのに、大人3人+幼児という小規模グループでは広々すぎて、ちょっと申し訳ないくらい。
さらに、夕食が終わると「鍵はここにありますからね」って、料理長と女将さんが自宅に帰っちゃう。
なんというフリーダム!
我々はそんな元気はなかったですが、夕食後に松江の街に繰り出す人も多いみたいです。季節がよければ、夜のお堀端を散歩なんてのも乙なもの。
ちなみに夕食ですが、昭和天皇の料理人もしていたという板さんが、地元食材を工夫を凝らして調理してくださいます。贅沢な食材を使うわけではないですが、しっかりとした手仕事を感じられる一品が次々と供される。
前日のカニ地獄もそれはそれでよかったけれど、一同、それ以上に満足したのでありました。
難点といえば、お風呂ですかね。温泉ではないので、そこがマイナス要素になっちゃう人はいるかも。
子供用の浴衣もきちんと用意してくださっていたし、素晴らしいロケーションを愉しみつつ、友達の家に遊びに来たかのように寛げる。松江で宿泊する機会があるのなら、検討に値する、というか是非にとお勧めしたい宿であります。
部屋からはお堀が見えます。たまに遊覧船がスイーッと。
そうえいえば、宿の女将さんとも会話が弾んだのが島根が誇る「木次乳業」のパスチャライズ牛乳。パスチャライズってのは平たく言えば低温殺菌。これがなかなか大量生産できず、敢えて作ってるところは極めて稀なんだ。
宿に着いたあと、「木次の牛乳はどこで買えますか?」などと尋ねる客は珍しいらしく、しばらくパスチャライズ牛乳で盛り上がった。これ、東京だと(未確認だけど)新宿伊勢丹の地下とか、高級スーパーじゃないと買えないんだよねぇ。
最寄りのスーパーを教えてもらい、翌日の分も含めて3リットルほど買い込み、みんなでグビグビ飲みました。一般的な牛乳とちがって、ベトつきがまったくなくサラサラ。それでいてクリーミー。おそらくは、牛乳飲むとお腹がゴロゴロするっていう人もこれなら大丈夫じゃないかな。
島根の人は毎日こんな牛乳が飲めてうらやましい!
宿だけでなく、この牛乳も機会があればぜひ試してください。ていうか、島根に行くことがあったら、スーパーに行って買って飲めよ!というお話でした(なお、コンビニでは見かけなかった)。
というわけで、足立美術館とか他にもいろいろトピックはあるんだけど、旅の報告はこれにて終了でやんす。
このエリア、ぜひ再訪したいッ!