映画「男はつらいよ」が好きだ。ただ、そんなにマニアックに細かいところまで見てるわけではないんだが、毎週土曜日にBSジャパンでやってる放送をスマホに落として、通勤中に見ているくらいは好きだ。
あと、この本は家族が寝静まった夜中にスコッチなめながら読むと最高ですよ。
全部でシリーズ48作品あるわけで、いまや「やすらぎの郷」で老骨に鞭打って(全員か!)がんばってる浅丘ルリ子のリリー編なんかは好きだし、「寅次郎 夕焼け小焼け」も心に残る。
で、先日の放送で「寅次郎 子守唄」をやってたんだけど、思わずここに書きたくなるようなエピソードがあったのだ。といっても、どうってことない1シーンなんだが。
とある宿で寅さんが晩酌を楽しんでいると、隣の部屋から赤ん坊が泣く声が聞こえてくる。すると男の声。
「うるさいやつやなあ、静かにせえや、もう、飯くらい食わしたれや、頼むわ。静かにせい!しまいに海の中ほり込んでしまうぞ!」
などと乱暴な言葉。もちろん赤ん坊に通じるわけもなく、さらに泣き声が大きくなる。
「やかましい!見てみい、おまえのためにお汁までぬるうなってしもうとるやないか!」
この男、女房に赤子を押し付けられ逃げられたわけなのだが、そこで寅さんがスッと襖を開ける。
男を叱りつけるなんてことは、さすがにしない。とはいえ、優しく諭してやるくらいかなと思って見ていたら、寅さんはそんなことさえしないのだ。
「こっちきて一緒にやんねいかい? ひとりじゃ酒も旨かねえや。な」
そういって、男を誘って一杯やるわけである。
ああ、こういう対応を取れる大人になりたいなあ、と思った次第。
葛飾柴又には行ったこともないが、そのうち機会があれば訪れてみたいなあ。