サッカー日本代表とは、ぼくらの世代にとってはひとつのストーリーだ。だから夢があるし、おもしろい。
国内有数のサッカー県で生まれ育ったこともあり、幼馴染みに某元日本代表のストライカーがいたり、ちょっと前の投稿にも書いたけど、Jリーガーになった友人もいる。そういや5歳上の兄の同級生には、これも元日本代表GKの真田選手がいたな。知り合いの知り合いに、誰かしら代表選手がいるとか、そういう環境。
でも子供の頃のサッカーといえば、結局のところメインコンテンツは高校サッカーだった気がする。当時は静岡県予選のほうが全国大会よりもレベルが高いと言われていた時代だったりもするのだが、もはや隔世の念だ。
検索してみたが、釜本がヌードポスターになったのが1984年だそうだ。で、木村和司の伝説FKが1985年。その頃の私は高校生。日本サッカーリーグだの、日本代表の試合など、テレビで見ることはほとんどなかった。ていうか、そもそもやってなかったし。たまに父親に連れられて都田のホンダのグラウンドに試合を見に行ったりはしてたかな、という程度。

でも1982年のスペインワールドカップのことはよく覚えている。録画放送だったのか生放送だったのか記憶はまったくないのだが、準決勝の西ドイツvsフランスの試合が激アツだった。
同点のまま延長戦に入ってフランスが2点リードを奪うも、そこから西ドイツが驚異的な粘りで追いつき、最後はPK戦となり勝つのだ。ルンメニゲとかいたな。これがゲルマン魂なのか、と。
あとブラジル代表にソクラテスがいて、「ソ・ソ・ソックラテスか〜プラトンか〜」のCM(伊丹十三野坂昭如)もあったから、そんな名前の人が本当にいるのだなと記憶に残っている(いや、伝説的な選手なんだけどな)。
同じサッカーなはずなのに、ルンメニゲやソクラテスには鮮烈な印象を受けたいっぽうで、釜本の裸や木村のFKは「ふ〜ん」程度の感想しかなかった。結局、日本で行われていたサッカーと、ワールドカップというものは別次元のものだったのだ。
それからカズが帰ってきて、読売と日産という構図が徐々にできあがり、Jリーグができてドーハがあって(映像がスタジオに切り替わった瞬間の柱谷兄の涙が印象的だった)、フランス大会があってゴン中山がシュートを決めて、2002の日韓。
いろんな人の努力と汗、それに涙があって日本サッカーは大いに盛り上がった。最近では人気が低迷してるとか、一般人はもう興味を持ってないとか、そういう話もあるけれど、自分自身としてはむしろ最近になって生活の中でサッカーが占める割合が徐々に上がってきている。Jリーグにせよ協会にせよ、こんなオッサンじゃなくて若い人の興味を引きたいんだろうけどさ。
仮に人気低迷が事実だとしても、それも含めて壮大なストーリー、コンテキストがサッカー日本代表にはある。
今夜行われるドイツとの予選リーグ初戦がどのような結果になっても、たとえイランのようにボコボコの夢スコアにされたとしても、それはそれで楽しかろうと。なぜなら物語は終わらず、続いていくからだ。
そりゃ10回やったら8回は負ける相手かもしれないけど、残りの2回が来ちゃうかもしれないじゃん?
日本代表の流れをずっと見てきているけど、わりと真剣に歴代最強じゃないかと思ってる。だから本音ではすごく期待してる。ドイツにだって、付け入る隙はふつうにあるよ。サウジがアルゼンチンを食っちゃったばかりだから、ぜひ続いてほしいね。
あとさ、代表戦見るくらいにはサッカー好きな人に言いたいんだけど、もっとJリーグ見ようよ!おもしろいぜ!
デュエル王・遠藤だって、元はといえば湘南のゴツめなあんちゃんだったわけだし、世界のトミヤスもプロになったのはアビスパからよ?( シントトロイデン経由で羽ばたいた人の多さたるや)
鎌田は鳥栖だしイナズマ純也も甲府だったりとか、ほとんどの代表選手はルーツがJリーグなわけだから、もっと感心持ってくれるとうれしいなあ。
個人的にはもちろん地元の星・伊藤くんを応援している。去年の夏にJ2にいたのがワールドカップだなんて、夢があるよ。
あと代表関係ないけど、パパ水沼の息子がFマリノスで優勝してベストイレブンとかさ。すごくね? いやー、FC東京にいた頃はパッとしなかったのにマリノスで花開いたなあとか、おっちゃん、しみじみしちゃうんだよな。
あ、今夜は近所の国際通りスタジアムで観戦するんだ。飲むぞー!