グループステージの簡単な総括というか、印象深かったことを。
①これは弱者のサッカーなのだろうか
2018年ロシアW杯のチームは、楽しいサッカーだった記憶がある。だけどよくよく考えてみたら、コロンビアは退場者が出たし、セネガルには勝ちきれなかったし、ポーランドは塩試合だったし、ベルギーにも結局屈した。
1勝2敗1分けなんだよね。
そのときに比べると、そりゃ相手が相手ってこともあるんだが、ドイツ戦もスペイン戦も守って守って、1点はしゃーないけど2〜3回は絶対に来るであろうチャンスを決めきる、そんな戦いだった。で、連続してモノにした。まさに肉を斬らせて骨を断つ。
とはいえ単なる縦ポンじゃなくてウイングのスピードがあるから爽快なところがこのチームの特徴です。賛否あるだろうけど、大迫を外した意図がここにあったのかも。
結局のところFIFAランク一桁な国とガチンコで戦える戦力ではないわけで、理にはかなっている。サッカーは強い国が勝つんじゃなくて勝った国が強いのだ。
②2戦目での謎のターンオーバー
常識で考えたらありえない。1戦目を勝ったのだから、2戦目もベスメンで勝点6を取るというのがセオリーなはずだ。だけれども、そうしなかった。
コスタリカにもこのメンツなら行けると思ったのかもしれない。勝点1でもよい、と(結果負けちゃったけど)。
そのうえで、最高のメンバーをスペイン戦に当てる積もりだった……そうとしか考えられない。前から、ドイツ戦で選手がかなり消耗するとして、ターンオーバーは示唆していたからプラン通りなんだろうけど。
ドイツにどうにか引き分けて、コスタリカは必勝、スペインでなんとか勝点をというのが素人考えなんだろうが、ドイツから勝点3を取ったのに、そのプランを貫いたわけで。
このあたり、森保監督が何を考えていたのか、ぜひNHKスペシャルあたりで取材してもらいたい。
③後世に語り継がれるであろう三苫の折返し
チャンスは数回しかない。その数少ないチャンスで攻めのスイッチが入った。
みんなが思ったであろう、まるでマンガのような展開。それが現実のものとなった瞬間を、世界中の人が目の当たりにした。
驚異的なスピードと、ギリギリのボールコントロールが生んだ奇跡のゴール。副審は旗を上げなかったけど、最新テクノロジーの裏付けがなければ「疑惑のゴール」になりかねなかった(槙野も「出てない」って言ってたけどw)。
たとえ数ミリであろうとも可能性がある限り全力で追う姿、そして、それを結果につなげること。
日本中の、いや世界中の子供たちにこのシーンを見せてくれた三苫には、感謝しかない。
こういったシーンって、折返しで足が届いてもサイドネットみたいなケースが多いイメージだけど、届いただけでなくてさらに踏み込んで、マイナスの、ドンピシャなところによくぞ……。
Jリーグの頃から輝いていたけれど、もはや日本の至宝といっても過言ではない。
そして今夜、クロアチア戦を迎える。
板倉が欠場。だけど後ろは揃ってるから心配ないはず。
スペインやドイツとは違って、もう少し全体的にボールを持てる時間が長くなると思われる。だからこそ、崩されて失点するリスクも増えるかもしれない。相手は百戦錬磨。先制されたら固くなるだろうから、無失点の時間帯をなるべく長くしたい。
逆に、伊東のスピードや鎌田のキレ、三笘の個人技が発揮できる可能性も高い。
もうワクワクしかない。
勝てばブラジルか韓国。
普通に考えればブラジルだろうけど、怪我人も多いし韓国だってノーチャンスってわけじゃなかろう(いろんな意味で戦いたくないけどw)。
もう少しだけ、熱狂を。歓喜の雄叫びを。