『1Q84』を読んだ

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事前のインフォメーションを極端に制限したことでも話題の、村上春樹の最新長編。なんと発売日前には増刷がかかるという異例の事態。やはり先日の、壁卵の演説も効いているのだろうなあ。

さて、たぶん私はいわゆる「信者」ではあるんだけど、この作品が世の中に広く好意的に受け入れられるかといえば、やや疑問。もちろん、いい意味で非常に村上春樹的だし、個人的には大いに楽しんで読むことができた。読後感もよく、ひさしぶりに昔の作品を再読しようかなあとも思っている。

とはいうものの、なんというか、ある程度の「免疫」がないと、相当キツいんじゃないかなあ。少なくとも、あまり村上春樹作品を読んだことのない人が手を出すべきではないと思う。話題先行なだけに、「え〜、何コレ!?」的な反応をする人が、けっこういそうな気がする。とまあ、そんなハナシを、村上作品はノルウェイの森しか読んだことがないという職場の女の子に今日したわけです。

そういえば、ノルウェイの森が映画化されるんだってね。松山ケンイチと菊地凛子だそうだ。……な、なんというか、これまた強烈な燃料投下になりそうだ。2010年秋公開。

そうそう、菊地凛子といえば、やっぱコレだよね!

yosiko1 ガムをどうぞ(byマサ)

yosiko4 代打よしこ

村上春樹が絶賛されている件

壁卵スピーチの話題に便乗(The Guardianの記事)。

イスラエルを痛烈に批判した、と受け取る人もいるし、どちらに対しても毒にならないあいまいな発言、と批判する人もいるようだ。単なる目立ちたがり屋じゃねーか、とかね。

でもね。内容がいいとか悪いとか、いくらでも後付けで理屈はこねられるけど、要するにこういうことですよ。村上春樹は、イスラエルで最高のロックを演じてくれたのです。ペレスという最高の観客を前にして。

とてつもなくパンクで、とてつもなくプログレッシブで、それでいてハードでクールな、最高にごきげんなロックンロールでしたよ。

ああ〜、なんかモーレツにうらやましいナ!

パレスチナ問題については、僕は個人的には少なくとも自分が生きてる間には絶対に解決しないんじゃないかと思ってるし、もし解決するにしても、ガンジー並みの人間が双方に同時かつ大量にいなければ無理だと思ってる。

その一方で、パレスチナみたいな誰にも解決できない問題をどうにかしてしまう力ってのは、ひょっとしたら、文学や音楽にこそあるんじゃないかなあ、なんて青臭いことを思ったりもするんですよね。