うなぎパイ工場

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そういや9月に実家に帰ったとき、ヒマだったので「うなぎパイファクトリー」に行ったんですよ。もともと工場施設だけだったのを、見学できるようにしたんだね。まあハナシの種ってことで。

最近、こういった食品工場なんかのラインをテレビ番組でよく見るようになりましたよね。まあでも、うなぎパイなんで、特にオオッと驚くようなことは特段ないわけですが、上から俯瞰でボーッと見ていると、なるほどなかなか面白い。

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階段の手すりにもうなぎが!

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工場見学のあとは、うなぎパイスイーツも堪能。なんか無理矢理感も漂うが、意外と美味し。

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あと、うなぎパイは昨年50周年だったらしい。冒頭写真のバスにペイントされた、「おいしい夜をいつまでも」のキャッチが泣かせます。あ、来場記念に、うなぎパイももらえるヨ!

チャボと過ごした夜

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昨年に引き続き、この時期行われるバースデイライブに行ってきた。3Daysの中日。直前まで知らなかったのだが、バンド編成だろうと思ってたのに完全なソロ。まさに“stand alone”なステージである。

会場は、渋谷プレジャープレジャー。昨年もこのハコだったが、座席がゆったりしていて腰痛持ちには本当にありがたい。2F席の後ろのほうだったが、ステージも見やすくて助かります。

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内容がすばらしかったのは言わずもがな。おそらく、世界で最もカッコいいギターを弾く60代だなこの人は。ギター一本だけで、3時間ものステージをこなすというのも超人的だが、失礼な物言いながら、本当に上手いんだ。キレッキレ。

ライブでは新曲も多く披露された。特に、The BandのMusic from the Big Pink(彼らがディランとかと使っていたスタジオ)みたいな曲が作りたくてさ、と語られた曲は印象深かった。心に沁みた。

もちろんRCの曲も。「甲州街道」はうれしかったなあ。甲州街道そばに住んでるってのもあるけど、コレ、大好きなんですよ。おなじみのポエトリーリーディングも、なかなかに切ない内容で、胸にズゥンと響く。

アンコールからエンディングにかけての選曲もシビレた。「おまけ」の「プレゼント」は落涙をこらえるのが精一杯である。

すべての演奏を終え、お辞儀をするチャボ、スタンディングオベーションで応えるホール、頭を上げて、びっくりするようにおどける姿、そしてWhat a wonderful world.

世界中にいい日がたくさんありますように。

いつからか、チャボはライブの最後にそんな意味合いのことを言うようになったらしい。

心温まる余韻を感じながら、騒がしい渋谷の街を後にした。来年も必ずまた来よう!

龍潭寺アゲイン

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ボンベイ庵を後にし、龍潭寺へと。ここには小堀遠州が作庭した庭があって、過去何度か来たものの、長年にわたって工事をしており消化不良だったのですね。さすがにキチンと下調べしてきましたよ。工事完了は確認済み。

平日の午後、来訪者はほとんどいない貸し切り状態。おかげでじっくりと庭見を楽しめました。なんとも贅沢。

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カミさんと、我が家の将来の話なんぞを語り合ったり。ある意味、貴重なひととき。そのほかは、ひたすらホゲーっと。日が傾くまで、ゆっくりさせていただきました。

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ボンベイ庵を訪う

この辺境ブログでも定期的にそこそこのアクセスを稼いでいるエントリがいくつかある。たとえば、浜松にあったカレー屋、ボンベイのことを書いたもの

名前をボンベイ庵として復活しているのは知っていた。場所は駅前の繁華街ではなく、浜名湖の奥、クルマで1時間くらいかかるようなところで、営業は昼間のみ、基本予約必須で、1日限定5組まで。おまけに年末年始や夏は1ヵ月程度、長期休業するという。

さすがに帰省時に気軽に行こうにも無理ってことで静観してたんだが、9月の中旬に一週間ほど実家に帰る機会があって、ついに念願を果たすことができた。

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迷いはあった。何よりも、昔の味は期待できないということ。あの、ヒリヒリするようなスパイシーな辛さであったり、豊富なメニュー、東海地方で初めてというタンドール釜で焼かれたナンなど、オールド・ボンベイの魅力そのままに復活したわけではない。

休業後、地元のスーパーにだけ卸しているというレトルトを食べたことがあって、おそらくはその味がベースとなっているはず。チキン、キーマ、ビーフという三種類の構成を聞いただけで、昔のボンベイの味ではないことは明らか。尤も味自体はそれなりに美味く、特にチキンは、そのへんのレトルトカレーのレベルを遥かに凌駕するものであり、そういう意味ではホッとしたのだが。

というわけで、カミさんと娘をクルマに乗せて、ブーンと行ってきました。もちろん1歳児連れコミで予約済み。

ちょっとした高台、最後「こんなところを登ってくの!?」という感じの道を突き上げたところに店はある。気持ちのよいテラス席に案内してもらい、ランチ2000円のコースをチキンとキーマでオーダー。

ランチで2000円というのは浜松のような田舎ではあまり聞かないが、原価や営業形態などを考えると、これでもあまり儲けはないのではないか。

「タンドリーチキンは、昔のレシピで作ってるんですよ」とのことで、確かに懐かしい味。裏を返せば昔のレシピで作ってるのはこれだけということでもあるのだが、昔の味など知らないカミさんは、「うまいうまい」とパクパク食べている。

実際、このタンドリーチキンもスペアリブもソースがむちゃくちゃ美味い。追加でライスをおかわりして、汁まみれにして頂いたくらい。

そうなのだ、昔の味などどうでもいいんだ。それを求めて来たわけではない。料理はどれも素晴らしく、ときおり気持ちのよい風が吹いてくる。ガタンゴトンと音がするので遠くを見やると、天竜浜名湖鉄道の一両編成がゆっくりと景色を横切る。その向こうに、陽光に照らされた浜名湖、引佐の海が見える。

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浜松出身で自分の年代であれば、肴町にあったオールド・ボンベイでカレーの洗礼を受けた人は少なくないはずだ。

学校帰りに、あるいは家族と、正月元旦に、あの薄暗い店内で出会った味は忘れることはない。星いくつに挑戦しただの(星の数で辛さが決まる)、ランチのサービスのマンゴジュースをいかに効果的に飲むかだの(辛さが和らぐ)、総鏡張りのトイレで用を足すときの落ち着かなさだの、当時、友人たちと交わした会話も懐かしい。

付き合っていた女の子とボンベイに行ったら、隣のテーブルに友人がいてそっちもオンナ連れだったとか、そんなこともあった(その友人は地元で医者として活躍していると聞く)。

突然、店はなくなってしまったけれど、こうした形であっても、復活してくれたことを素直にうれしいと感じる。思い出の味があるということは、本当に幸せなことなのだ。