訳あって、山野井泰史・妙子夫妻についての本とDVDを立て続けに。
「凍」沢木耕太郎著
「白夜の大岸壁に挑む」NHKエンタープライズ
「凍」は、ヒマラヤの高峰・ギャチュンカンに挑んだ山野井夫妻のノンフィクション。登頂こそ果たしたものの、下山時に雪崩に巻き込まれ、標高7000m以上でのビバークを余儀なくされる。夫婦で計28本もの指を失ったというその帰還の詳細は壮絶という他ないが、何しろ沢木耕太郎の筆が冴えまくっている。近年の、沢木耕太郎の本の中ではダントツに面白いのではないか。題材に依るところも大きいんだろうなー。
「白夜の大岸壁に挑む」は、NHKで放映されたドキュメント。ギャチュンカンからの奇跡の帰還を果たしたふたりが、グリーンランドにある、高低差1300mの大岸壁に挑戦する。指がほとんどないなか、ギアに工夫をこらし、実際に登攀していく様子を、NHKのクルーたちが相当がんばってフィルムに収めている。いやもう、「変態」のひと言。もちろんホメ言葉である。
山野井泰史さんは、昨年、奥多摩で熊と格闘したことでも記憶に新しいが、blogなどで見る限り、経過も順調のようだ。それにしても、夫婦揃ってすごい日本人がいたものだ。
山野井夫妻のグリーンランド岩壁登攀に向けた特異な執念には、
同じ山ヤであっても理解し難いものがあった。
岩に取り付く為に生活の全てをそこに集約してたし、
指がなかろうが、鼻がもげようがお構いなしって感じだったね。
こういう夫婦のカタチもあるんだなあ。
烈しい愛を感じた。
お、見てましたか。
グリーンランドのは、とにかく妻を完登させたいという気持ちがヒシヒシと伝わってたなー。