大地震の夜に

上は、地震発生直後の新宿西口公園の様子。このときは、まだ平和ボケ状態。今日は仕事にならないなー、とか。

まさかその後、会社に戻って見たテレビであのような惨状を目にしようとは。

阪神大震災の崩れ落ちた首都高、9.11のWTC崩壊に並ぶ衝撃だ。あの、家屋や車やありとあらゆるものを飲み込みつつ、地を這うように街を侵食する津波の映像というのは、これは忘れることができそうにない。

現地で被害に遭った方々の無事を祈る。いまはそれしかできない。

その後、東京では主要鉄道がすべてストップ。完全に交通がマヒした。

会社では、歩いて帰れる人間は帰ることにしよう、ということになったが、さすがに新宿から府中まで歩く気にはなれない。USTREAMでTBSが中継をしてくれていたので、マシンでそれを流しっぱなしにして、見入る。ニコニコ動画も、NHKやフジテレビの放送をそのまま流していたそうだ。非常時の対応とはいえ、こうしたことを迅速に行動に移してくれるのは、じつにありがたい。

そういえばUSTREAMでは、広島に住む中学生(?)がNHKの画面を流し続けてくれていた。たまに本人の声で、「携帯電話などは充電を」「とにかく高いところに逃げて」「これを見ていて逃げ遅れるようなことがないように」などなど、注意を呼びかけ続けていた。Twitterで無許可であることを指摘されたのか「これで逮捕されるならそれでもいいです」と語っていた。

新宿からタクシーに乗れるかどうか、現地に行ってみようかとも思ったが、Twitterで「新宿 タクシー」で検索すると、どうやら5時間たってもまるで列に動きがないようだ。夕方以降、道路は車や人で渋滞しまくっていた。これではタクシーも身動きが取れなさそうだ。

この状況は夜遅くか、あるいは朝まで続くかもしれないが、下手に寒空の中動くよりはしばらく会社にいよう、と決心した。

ときおり余震が続くなか、会社の総務部が買い出しに出かけてくれたようで、カップラーメンを大量に買ってきてくれた。「1人1個、ご自由にどうぞ」と館内放送が流れ、残った人々の頬が緩んだ。「さっきコンビニ行ったらラーメンが売り切れてたけど、ウチの総務の仕業かよ!」と、面白いけど笑えないギャグが飛んだ。

JRが終日の運休を決定するなか、20時30分頃の都営線を皮切りに、地下鉄や私鉄などが少しずつ復旧し始めていた。

自宅の府中までは京王線だが、Twitterで京王線を検索していると、試験運転をしているようだ。

そのうち、ついに運転再開に漕ぎついたようで、Twitter上で歓喜のコメントがあふれる。人でごった返す京王新宿駅では、拍手が起こったそうだ。きっとみんな疲れ果て、イライラしていただろうが、駅員の復旧への努力のおかげということが分かっているのだろう。しかも本日は無料で乗車できるとのこと。これで中央線付近の住人も、どうにか家に帰れるかもしれない。

自然災害は防ぎようがない。原発も心配だし、現地の状況はとても気になる。災害規模もどんどん膨らんでいくだろう。

だが、こんなにひどいことが起きているいっぽうで、助け合う人々がそこかしこにいる。

がんばってくれ、といまは祈るだけだ。

PS.連絡をくれた方々へ
どうもありがとう。どうにか無事に帰れそうです。

「大地震の夜に」への3件のフィードバック

  1. 無事だったようでなにより。
    ご内室は大丈夫ですか?

    いや、本当にソーシャルメディアは強かったね。

  2. 自宅に着いたのが午前2時すぎだったけど、どうにかみんな無事でした。

    ソーシャルメディアは役立ったけど、無意味すぎるリツイートとか、ノイズも多かったかな。でも、電話もSMSもできないのに、ネットだけは大丈夫だったというのは印象的だったねぇ。

    あと、日本人は本当に民度高いわ。一握りのDQNのほかは、駅でも順番守るし、きちんと列に並んで待つ。すげーっす。

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