2011年の真中中央

パ・リーグのCSファイナルステージは、ホークスの3連勝で幕を閉じた。

どれも本当に見応えのある試合であった。第3戦は両エース延長激投の末に涙の降板あり、日本プロ野球史上最高(最悪?)の罰ゲーム・12回裏ありと、おそらく後世に語り継がれる内容だった。

だが、個人的にはコレでお腹いっぱい。


松中信彦といえば、1999年の福岡移転後の初優勝で頭角を現し、2003年には小久保不在の中4番をキッチリ務め上げ、2004年には三冠王、2005年には本塁打・打点の二冠、2006年にはWBCの4番と、まさにゼロ年代を代表するスラッガー。

2004、2005年と連続してプレーオフで破れたのは、この人の不振が確かに大きい。さらに翌2006年には王貞治監督に胃ガンが発覚。「なんとしても」の気持ちが強すぎ、それが自身はもちろんチーム全体にも強いプレッシャーをかけることになり、昨年までのプレーオフ暗黒史となってしまった。

また、あまり語られることはないが、一時はステロイドの副作用にも悩み、不振を極め、それでも強行出場して悪循環と、見ている側としても痛々しかった。

近年では若手の台頭や補強によりベンチを温めることが多く、過去の実績を考えると、本当に辛かっただろうし、悔しい思いをしてきたことだろう。

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こーいう、どん底を味わった人が再び光を浴びるというのは、ストーリーとしてはありふれてはいるけれど、やっぱりよい。

あのホームランの瞬間の歓声が、すべてを物語っている。

「2011年の真中中央」への2件のフィードバック

  1. ちょっと本筋からずれるが、第3戦延長戦は、巣鴨駅前のサウナで見ていた。おっさん5人、息をつめて汗をだらだらで見るCSは日本の正しいおっさんの姿であった。

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