ばくだんの思い出

先日、トリイソースのことを書いたりもしたけど、今回は駄菓子屋の話。

私が生まれ育った浜松では、駄菓子屋の多くに「鉄板」が常備されていた。店主のおばちゃんが焼きそばだのお好み焼きだの、作ってくれるのだ。

子どもが相手だから、そんなに高くはない。記憶があいまいだけど、焼きそばもお好み焼きも、50円くらいじゃなかったかな。

金がないときには、目玉焼き。確かこれは10円とか20円だった気がする。熱い鉄板に卵を割って、両面焼いたらソースと青のりをかけるだけ。

もちろんフトコロに余裕があったらお好み焼きを頼むんだけど、そんなものがたまらなく美味いと思っていた年頃であった。

お好み焼きについては、ローカル色というか、ペラッペラに薄い焼き方をするんだよね。で、必ず刻んだタクアンが入ってる。黄色いやつ。どうやら「遠州焼き」とか言うらしいんだけど、今にして思えば、確かに独特だったかもしれない。

ちなみに、もんじゃとかはありません。文化的にはやや西よりだからか。あと、冬場にはおでんもあったな。最近だと「静岡おでん」などと有名になったけど、たぶんテイストとしては同じようなものだったと思う。コンニャクとかハンペンが串に刺さっていて、魚粉とかおかかとかをかけて食べる。

おでんについては、屋台で売るスタイルもあって、子ども達がよく集まる公園なんかには、放課後になるとおでん屋台がいて、おでんのほかにあんころもちとか、そういう子ども相手の商いをしていた。夏はわらびもちだったり。

話がそれた。

駄菓子屋の鉄板におけるキング、それが「ばくだん」です。ココロにもフトコロにも余裕があるとき頼むのだけど、これもなんてことはない、単純にお好み焼きと焼きそばを作って、焼きそばをお好み焼きで巻く、というもの。

なんか、書いてたらモーレツに食いたくなってきた!

モダン焼きっぽいけど、それほどしっかししたものではなくて、ホントに単純に、ただ包んだだけ。それぞれ単品で買うよりは安いってことで、とにかく「ばくだん」を頼んだときのシアワセな気分ったらなかった。なんで名前が「ばくだん」なのかについては諸説あるようだけど、まあ「爆弾」から来てるのでしょうね。

浜松界隈では、空襲で田んぼとかに穴があいて、水がたまったような池を「ばくだん池」と読んでいました。これが、意外とたくさんあったのだよね。で、子ども達はそこで、ザリガニ釣りに勤しむわけです。そんな関連もあったのだろうか。

ウソのような話だけど、この「ばくだん池」は本当にそこらじゅうにあって、一説によると、B29は日本に空襲に来るとき、浜松を目指して飛んできてたらしく、帰りもいったん浜松まで飛んで、そこからサイパンとかに帰投していたらしい。つまり、帰りがけに余った爆弾をぜんぶ落として行ったとのことで、浜松は空襲の回数だけなら、いちばん多かったとか。ホンマかいな。

話がそれまくりですが、ググってみたら、浜松のいくつかのお好み焼き屋さんでは今でも「ばくだん」がメニューにあるようだ。さすがに駄菓子屋は全滅だろう。こんど実家に帰ったら食べに行きたいもんです。

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