初節句



娘が生まれて初めての3月3日。桃の花やらあれこれクルマに積んで、カミさんの実家へ。ちらし寿司、蛤の吸い物が用意されていてびっくり。いや、なんかすごいなあ。恐れ入ります。

前にも書いたけど、すでにカミさんの実家には七段飾りの立派な雛人形セットが飾ってあるんですね。主役の娘にも晴れ着を着せて、甘酒飲んでお祝いしてきたでやんす。

ウチの実家はデキの悪い息子が2人いるのみで、女子はいなかったため、これまで雛祭りというのはどこかヨソの世界の出来事みたいな感覚であった。

なのに、なぜか実家には雛人形があった。母親からそう知らされたのは昨年末の、娘のお宮参りのとき。

ひょっとして、幼くして死んだ姉でもいたのかとドキドキしたのだが、さにあらず。

母親が自分の母、つまり私にとってのばあちゃんに愚痴をこぼしたらしい。我が家は息子ばっかりで雛祭りができなかった、娘がほしかったのに、と。どうやら、私がまだ幼い頃のこと。

そうしたらある日、立派な新品の雛人形が、ばあちゃんから送られてきたそうだ。なんじゃそりゃ。

洒落っ気があるばあちゃんだったので、半ば冗談だったのかもしれないが、私なんぞには計り知れない母娘間の想い的なものがあったのかもしれない。そういえば、よく「アンタが女の子だったらよかったのに」と言われたもんです。

そんなわけで、その雛人形が、今度は私の自宅に送りつけられてきた。2人セット……っていうか、調べたらお姫様と親王の二人で飾るお雛様の基本形ってことで、「親王飾り」って言うらしいね。そんでもって人形の種類としては木目込みとか。ほう。

最初は「うぇー、邪魔だしイラネー」と思っていたのだが、箪笥の上を片付けて飾ってみたら、なんだかそれなりにしっくりくる。いろんなところに雛人形があるのも、いいもんです。いま風に言えば「ほっこり」っていうんですかね、なんかそんな気分になりました。

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