クーリエ・ジャポン iPhone版

T-Timeは小説みたいに文字ばっかりならいいけど、図版が入ると厳しいかと思ってましたが……いやいや、これけっこうイイ感じじゃないの。

見開き全体を見渡せるのは普通だけど、本文、あるいは図版+キャプションなどページをブロックで区切っていて、タップするとそれぞれ拡大してくれるのね。オーサリングはけっこう大変なはずなんだが、誌面のレイアウトを活かしつつ、読み進めるにあたって読者に与える不便なところを極力なくすためには、この方法しかないかもしれない。

ただまあ、俯瞰時の把握のしやすさみたいなところは厳しいんだけど、これは物理的な画面サイズの問題なので仕方がない。

R0011869 特集のトビラ

R0011868 リード部分を拡大

紙のものを、PCだろうと携帯端末だろうと、デジタルに落とし込むという行為は、客観的に観たら不毛かもしれない。雑誌には雑誌のレイアウトがあるように、WebにはWebのレイアウトというかデザインというものがある。当然、携帯端末には携帯端末のデザインがある。紙のインターフェースを無理矢理デジタルにしても読みにくいだけだもの。iPhoneでは、産經新聞がまさにそれだけれど、いちいち拡大しないとどんな内容かわからないし、面倒くさくてとても読む気にはなれない。やってること自体は相当なことなのに、UIの部分で思いっきり損してる典型例だと思う。

単にiPhoneでも読めるようにしましたよ、というのは最低限のレベルでしかなくて、いかに読者に負担をかけず、しかも内容をきちんと伝えて読んでもらえるか、というのはそこから先の問題。そういう意味では、クーリエ×T-Time(ボイジャー)の思惑は、ある程度成功するかもしれない。ていうか、してほしい。

なお、クーリエ・ジャポンの紙版は定価680円だが、iPhone版は350円。20ページ程度の無料版も用意されてるのが親切設計。

あまり細々とした雑誌は不向きだと思うけど、この手の媒体なら意外とマッチしそう。果たして他社は追随するかどうか。

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クーリエ・ジャポン 2009年3月号
クーリエ・ジャポン 2009年3月号 Lite

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