facebookにも投稿したけど、備忘のためこっちにも。
18歳の夏に、大学の合宿でパキスタンに行った。
川を遡り、5000メートルの峠を超え、下痢や鉄砲を持った不埒な輩に悩まされつつ、旅のフィナーレで迎えたのがアフガン国境にほど近いチャパリという村だ。
村の広場には桑の木がたくさんあり、折しも食べごろの実がたくさんなっていた。村人たちからも「食え食え」とお許しが出たこともあり、一同桑の木に群がり、貪るようにしてその実を口に放り込む。数週間にもおよぶトレッキングで果物のような食材に飢えていたのだ。
その後山羊を一頭購入し、それを解体し、宴が始まった。脳味噌と心臓のソテーの美味いこと。そのうち、肉もどんどん焼けてくるのだが、料理の合間にも桑の実をつまんだりして。
この週末、いつもの野川公園に行ったのだが、なにやら子どもたちが木登りをしている。よくよく見たら、桑の実をつまんでいるではないか! どれ、ちょいとオジサンにも分けとくれ、ってなことでいくつか摘み、妻子にも食べさせてみた。これが素朴な味わいでじつに美味いのですね。
子供らから、「色の濃いのが美味しいよ!」と教えてもらいつつ、しばし遠い日の楽園とも思えたチャパリ村の人々に思いを馳せた。
いつもの場所に移動して弁当を広げると、地面には蛇苺もチラホラ見える。
やはり5月の野川公園は最高なのである。来年もこの時期来訪せねばね。