前に進むひと

若い頃から何度繰り返して読んだかわからないマンガに、『ボーダー』がある。狩撫麻礼の代表作だが、グッとくるセリフなんかはぜんぶ覚えているくらいだ。


貧乏仲間から急にボクシングのヘビー級チャンピオンが誕生したような
そんな気分だったんだ
意味もなくハッピーを感じたんだよっ





これは、主人公3人のうちの冴えない浪人生・木村が東京大学に合格したとき、リーダーの蜂須賀がどこからか100万円を用立て、パーっとお祝いをした翌朝のセリフだ。



同じく、『大市民』という柳沢きみお先生の名作があるのだが、松本清張が死んだときの主人公・山形の語りがある。

松本清張が小説家になったのは48歳からであり、やろうと思えば50代からだって一からまたやれるのだと、中年ニートの佐竹氏に滔々と語る場面。





7月に入ってすぐ、仕事に疲れ果ててTwitterを見たら、友人からのビッグニュースが飛び込んできた。

そのとき頭に浮かんだのが、上の2作品の各シーンである。

同時に、体じゅうが言いようのないヨロコビに満ち、世界がカラフルに転じ、彩度が急激に上がる感覚に包まれた。



家庭や仕事を言い訳にしない人が、世の中に大勢いる。大いに勇気づけられ、自分にも前に進む力が湧いてくるような気になる。

友よありがとう。そしてがんばれ。俺もがんばる。

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