狩猟同行の記

ずいぶんと前の話になるんだけど、やはりこれは書き残しておかないといけないだろう。今年2月、まだ雪深い山で、狩りに同行した。狙ったのは鹿だが、実際にはイノシシを仕留め、解体した。

場所は沼田の奥。ほぼほぼ足利山塊で皇海山を源流とする泙川水系の中流域である。

狩猟免許を持っている、地元の猟友会のU氏が撃ち手であり、会社近所のラーメン屋の常連たちは勢子となり、運が良けりゃ何か仕留められるっしょと出かけたのである。

前夜はU氏の小屋で飲み明かした。雪上で焚き火をして大いにエンジョイしたが朝は地獄のような寒さである。凍えながら林道を歩き、狩場へと向かった。


なんとなく地図上に示すと、以下のようになる。



緑の丸が撃ち手のU氏。赤丸は二日酔いの勢子どもである。配置についたら、予め設定した時間になった瞬間に、勢子たちが谷に向けて大声を出す。

驚いた動物がU氏の方向に逃げるのだが、U氏はどこを通るかを完全に把握しており、ズドンと仕留めるというプランだった。

ところが、勢子が配置につこうとしていた矢先、銃声が2発聞こえた。

空耳?雷?いやいや、やっぱり撃ったっしょ、銃声っしょ、ということで勢子たち協議の上、撃ち手のほうに戻る。

U氏も林道に上がりこちらに向かっており、「いやー、谷底みたらイノシシがいたから撃っちまった」ときた。

なるほど、それはそれでナイスショット!というわけで一同喜ぶわけだが、じつはそれが地獄の始まりでもあった。

仕留めたイノシシは100kgちかい、けっこうな大物であり、それが谷底に転がっている。それを総勢6人で引き上げるねばならず、とにかくこれがしんどかった。

ドロドロのとっかかりもないような斜面。みな泥だらけになり、ロープにかけた獲物を引き上げ、押し上げ、時に盛大にコケたりもした。今にして思えば足回りも長靴とかそういうメンツで、もし誰か滑落したらヤバかった。

ほんの30メートルほど引き上げるのに3時間ほどかかり、どうにか稜線の雪上に出たところで解体することに。美味しいところだけいただき、あとは山に返した。


その解体の動画であるが、もちろん興味のある人限定でどうぞ。



いやー、来年はもうちょっとがんばらないとなー。ていうか俺、ホントに免許取れるんかな。

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