悲しい知らせ

この歳になると、友人知人の訃報がチラホラ出始める。仕方がないことではあるが、それにしても今日の話はこたえた。ガックリきた。

いろんな人に愛される方だった。同僚や取引先、彼のまわりにはいつも人だかりがあった。

ぼくと彼との接点は、時間にして1年にも満たない。一昨年の3月に初めて会って、その年の12月には彼が会社を辞めてしまったから、たったの9ヶ月だ。

初めて会ったのは、人事異動の話が出たからだ。ぼくが異動する先の上司が彼だった。内線をかけて、トコトコと会いに行った。

話を大雑把にまとめると、異動先の部門には私のことをよく思っていない人間が多く、自分にしてみれば「よく受け取ったな」というのが率直なところだった。

初めて会ったときも、ひととおり業務の話が終わってから、そんなことを口にした覚えがある。よくオレなんかを受け取りましたね、と。

彼は、(正確には覚えていないが)こんなことを言ったと思う。

キミのことは色んな人から聞いているが、詳しいところを知ったら、まったく問題ないと思った。

その後、半年くらいかけて組織にメスを入れまくり、相変わらず敵が増えたりもしたが、同時に味方も大勢できた。いつの間にか、それなりの成果が出ていた。

飲みにいったとき、「なー、オマエは大丈夫だと思ってたよー」とゲラゲラ笑うのを見て、嗚呼、だからこの人はいろんな人から愛されてるのだな、ということがよくわかった。

彼がいろんな事情で退職してから、一度だけ飲みに行った。それが最後の夜になってしまった。じつに愉快で、楽しい夜だった。

生きている人間は、死んでしまった人間のことを想いながら酒を呑むことができる。

今夜、そうしようと思う。

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