たしか、昨秋ここで寝たときは明け方に寒くて目が覚めたのだ。それがどうだ、今年はあまりの眩しさに目が覚めた。午前6時。もう山の端から大石沢出合に、強烈な朝日が射し込んできた!
おまけに気温もグングン上がり、すでに15℃くらい。冬用シュラフだと暑くてたまらない。
う〜ん、と困ったような有り難いような感じでモソモソと起きて、コーヒーを淹れる。焚火跡を掘り起こすと昨夜の熾が残っていて、かき集めて小枝を乗せておくだけで燃えてくれる。楽でいいやね。
朝食は、なるべく重量を減らしたいのでアルファ米+ボンカレー。なんか、このパターン昨年からまったく進歩していない(笑)。

ゆっくり準備をして出発。中ノ又沢出合で一本取って、例によって懐かしの幕場を散策。

ここから大滝までは竿を出しながら行こうかなー、と上流へ向かう。ひとつ目の淵に毛鉤を落としてしばらく流すと、いきなりグググッとアタリが。
こりゃデカい。竿がしなるゥ!
ファイトを楽しみながら引き寄せると、案の定の尺サイズ。うん、尺あるな。泣き尺じゃない。ある。あるよ。メジャーないけどある!そういうことにして!

とりあえずタマネギ袋に入れてデポ。うーん、昨日もそうだったけど、これで納竿しちゃうと賞味の釣り時間がむちゃくちゃ短くなっちゃうなあ。
これ以上のサイズアップは望めそうにないけど、もうちょっとヤルかと大滝まで竿を出しながら歩く。が、せいぜい八寸サイズ。
大滝に到着してから下段の釜で探るも、ここでも八寸がせいぜい。小物も含めて五〜六匹釣り上げたが、すべてリリースして釣りは終了とする。

なんだろう、夏の本格シーズン前だからか、サイズはある程度揃ってるし魚影がむちゃくちゃ濃い。この時期ならではの恩恵ってことなのかもだけど、過去これほどまでに入れ食い状態で釣れたことはなかったかもしれない。
大滝をじっくり愛でる。いいなあ。美しいなあ。何度来てもいい。今後も何度も来よう。


出合に戻り、尺岩魚の入ったタマネギ袋をぶら下げて、中ノ又に入る。
さすがに岩魚ちゃんがどんどん弱っていくので、たまに流れに沈めて、エラ呼吸をしているのを確認しながら歩く。おかげで全然進まない(笑)。
まあ急ぐ旅でもないしとのんびり歩いていたら、昨秋の幕場に到着。昨日同様、昨年の自分からのプレゼント、わりかしまとまった薪がデポ…というか放置されていて、軟弱なワタクシとしてはザックを下ろしてしまうわけです。
タープを張って、薪を集めて、ほとんど虫の息の尺イワナを捌く。ごめんな。
昨日の八寸に比べると尺あるせいか実も大きいし中骨も長い。中骨はフライパンに収まらないので2つに折って、オリーブオイルでソテー。
半身+アラの揚げ焼きを、やたらと生い茂っているザゼンソウっぽい大きな葉っぱの裏に乗せて頂く。味付けも同じだが、飽きない。皮せんべいもパリッと仕上がって、酒が進む。フィッシュアンドチップスのチップス抜き。美味い美味い。

サイズアップしたこともあってけっこう食べごたえがあるなー。もう半身を、昨日同様タタキに。今日は、近所のスーパーでガメてきたガリも添えて。

焚火を熾して、まったりタイム。これまた昨日同様、薪集めのついでにもぎってきたタケノコを放り込む。味噌とか持ってきたけど、なんにも付けなくても風味があって充分に美味しい。
いやあ、この時期の葛根田は森の恵みが豊富すぎる。最高すぎる。

日付が変わる頃にはシュラフに潜り込んだ……と思う。
6月8日 大石沢出合(C1) 09:42 沼ノ沢出合 10:20 葛根田大滝 11:31 co844付近 15:22