弱いチームになっちまったもんだ

熱狂的ドMな方と、またも幕張へ。いまやパリーグは2強2弱2論外と言われているが、その2論外による、最下位シリーズである。

どちらも進塁打・バントが超ヘタクソ。おまけに、これまたどっちも、ノーアウトでランナーが2塁にいるのに点にならない。拙攻にもほどがある、むしろ壮絶な譲り合いである。最後はホークスのルーキー摂津が、双方をあざ笑うかのような(本人はショックだろうなあ)満塁からのデッドボールであっけなく終了。そろそろ電車がヤバかったので、個人的にはホッとした。

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サヨナラデドボを食らったサブローが1塁を踏む

ホークスもマリーンズも、つい数年前までは両リーグトップを競うといっても過言ではない強さを誇ったチームであり、特に2005年なんかは伝説に近かったのだが、どちらもいまや、見る影すらない。メンバー的には、もちろん入れ替わりはあるのだが、共通してるのは、中堅〜ベテランの不調かな。

プロ野球における世代交代とは、少なくとも局地的には3〜5年周期で起きる。いまピークとも言える選手の賞味期限は短ければ3年と考えたとき、安穏としていられるフロントか否か。その差が出ているということだろう。例えば、ライオンズの中島。彼はリトル松井がバリバリだった頃から英才教育を受けていた。中村やGG佐藤しかり。野手は特に、投手よりもサイクルは速そうだ。

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球場を練り歩くズー君。マー君とリーンちゃんはどこだろ?

小久保や松中は明らかだが、里崎、福浦といったあたり、すでに全盛期ではないと考えてチーム編成をしないと、どんどんいびつになるのだろう。また、この両チーム、ショートには川崎と西岡というスター選手がいるけれど、彼らを脅かす存在が2軍で成長しているのだろうか。

結果、ホークスは打撃陣、マリーンズは投手陣がズタボロになってる。OTZ獲得は、ホークスとしては動きが早かったけど、出戻りガイジンが活躍するかどうかは、ハッキリ言って出たとこ勝負。井口とOTZのトレードでもあったのかと錯覚しそうだが、相変わらず場当たり的すぎるのぅ。

尤もシーズンはまだまだ序盤なので、これから何が起きるかはわかんない。そこが面白さでもあるんだけどね。

それにしても、まだ4月だというのに、これでマリーンズ戦を見るのが3試合目だ。ちょっと自粛して仕事しないとなあ。そうそう、花火は、今年からグラウンドで見られるサービスが始まったのね。家族向けかしら。あと、球場外売店のサイコロステーキが焼きたてで美味かった。ビールカップの径は、重ねてみるとわかりやすいね。確かにセコいw あ、内側がエビス、外側は普通のビールです。

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最後にもうひとつ。マリーンズのシコースキーは、絶対に球場で見るべき選手だ。腕廻しは有名だけど、一挙手一投足すべてが気合い入りまくり。ロージンバッグをたたきつける姿なんかは、感動的ですらある。何をそんなに怒っているんでスカ?と聞きたくなります。まさに、絵になるセットアッパーである。

決戦前夜

あぶさんが、ついに現役引退するそうだ。

思えば、私が初めてプロ野球というものを意識したのは、まさにこの漫画だった。ちょうど南海ホークスが強かった頃、ついでに言えば野村が現役で、キャッチャー兼監督というのにもシビレたものだ。小学生が、ビッグコミックオリジナルなんて読んでたわけだから、相当ませてたもんだ。

あぶさんといえば思い出深いエピソードがあって、日米野球で代打で出て、ホームラン打つっていう話。ベロベロに酔っぱらってバッターボックスに入る景浦に対して、アメリケンが「おいおい酔っぱらいかよ」みたいな反応を見せる中、見事豪快にスタンドイン。まあ、いつものパターンなわけですが。

そのとき、「オレは、お前らの吐くツバのほうが気に喰わない」みたいなセリフを呟くわけです。

いまになって冷静に考えてみると、酔っぱらって出場するほうもどうかと思うけれど(笑)、日本人のメンタリティをとてもよく現してると思う。

日本では、どんなスポーツでも、それを行う場、グラウンドや競技場に対しては、必ず畏敬の念を抱き、最大限の敬意を払うべし、と教えられる。だから野球少年はグラウンドに入るとき、帽子を取って一礼する。それくらい大事で、神聖な場所だという刷り込みがある。よく考えてみれば「甲子園の土」なんて、ただの土なのに、それが甲子園のグラウンドの土であるということだけで、そこらの花壇の土とは雲泥の差があるわけだよね。

最近だと、プロの国内選手でも、グラウンドにツバを吐いたりするシーンを見かけたりはするけど、見ていて、やっぱり気持ちのいいものではないよなあ。

何が言いたいかというと、韓国が勝ったからってマウンドに国旗を突き立てるなんてことは、日本人的なマインドとしては絶対的に許されざる行為なわけです。神聖なるグラウンドで何てことをするか、と。就中、マウンドで。だから、みんな腹を立てる。

だけども、ああいった行為に対して、何かが穢されたような気分になるのは日本人だけなのかもしれないね。平気でグラウンドにペッペペッペと唾を吐くアメリケンは、目の前でアレをされても、なーんも気にしないのかもしれない。だから、そんなことでイチイチ目くじらを立てなさんなよ、という人がいても、不思議ではない。

韓国は、普通に強い。ミスをしないし、長打もある。なにより、ピッチャーがいい。

例えば、マンガでいうところの「キャプテン」的な状態に、韓国はある。層は薄いものの、個々の努力や才能でカバーし、一流と言われるチームを撃破する。つまり、墨谷=韓国で青葉=日本。わかりにくいかw

そういった、マンガの世界では古典的なストーリーを、ずっと韓国に演じられてしまっている。彼らの日本戦に対しての気迫は、3メートルの位置で防具を付けさせてノックする谷口クン並みなのだ。

ただ真っ正面から受けるだけでは、そりゃあ負けてしまうよ。正々堂々と、自分たちの野球をやれれば勝てるとか言うのは、じつは相当な慢心なのかもしれない。勝つためには必死にならなければならない。セオリーにない奇襲、陽動、揺さぶり、とにかくイヤらしい攻め方をして、何でもやらなければならない。

世界中の価値観とは相反していたとしても、あの蛮行だけは絶対的に阻止してほしい。そのためには、勝つしかないわけなので、どうぞ頑張ってください、というお話でした。

朝、卵かけご飯にしようと卵を割ったら、双子だったぜ!

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それにしても、「最大5回当たる可能性がある」とか、なんぼなんぼでもまさかネ〜、って思ってたけど、本当にこうなるとはなあ。次回のWBCはもうちょっと考えてくださいよ。プエルトリコやベネズエラ、ドミニカとの試合を見てみたい!

王さんのナマラスト

関東遠征最後とあっては行かねばなるまいと、重い腰を上げて幕張に。武蔵野線一本で行けるんだが、相当な遠回りなので1時間半くらいかかるんだよなw でも道中爆睡できるので、いつもコレ使ってます。

この日のスタンドは試合開始前ですでに超満員。マリーンズもCS出場がかかってたのと、やはりオレみたいな客が相当いたのではなかろうか。

さて試合は例によって点を取れる気配のないホークスが淡々とアウトを量産。いつも泣きそうな顔をしている和田くんもさすがにこらえきれず、里崎にタイムリーを浴び、いつの間にかの0-4というスコア。6年連続二桁勝利はたいへん厳しくなったけれど、まあいつかは途切れるものなので諦めましょう。

最後に王さん得意の神代打(田上の代打ツーラン、しかも初球)を見ることができたので満足。また、いろいろと不運なことがあった清水直が勝ったのでよかった。試合終了後、王さんはヒロインに気配りしたのか、レフトスタンドまでは行かず、ベンチ前で手を振って球場全体におじぎして、静かにダッグアウトに消えていった。

いや本当におつかれさまでした。

9回表のこと。先頭の森本が長打を放ち、ノーアウト二塁。ここで小斉、松中と続くところで王さんは二人を呼んで何やら話をしていた。2点差だったから、もう思い切って大きいの狙え的な、「サインはホームラン」っぽい感じだったと思う。

で、小斉は力んだのか平凡な外野フライ。松中は、フェンスまであと少しという特大popを打ち上げたんだけど、トボトボとベンチに戻ってきた松中に対して、なんと王さん、打撃指導を!

ほんの10秒とか20秒とかいう長さだったけど、身振り手振りで「思い切って叩き付けないからこすっちゃうんだよ」みたいな(妄想ですよもちろん)。まあ、神妙に聞いてる松中も不憫だが、こんな状況でもそういうコミュニケーションするかあ、と、感心した。おもしろい人だなあ、やっぱり。

あと、これは書こうかどうか迷ったのだけど、まあ書いとこう。

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ありがとう王さん

ついうっかり、根本さんに騙されて連れてこられたんだよね。でも万年Bクラスのチームの監督になってくれたばかりか、14年もいてくれてありがとう。何度も優勝にまで導いてくれてありがとう。

日本シリーズのたびに「パ・リーグの意地を」と頑張ってくれてありがとう。特に2003年はシビレました。パ・リーグのレベルは低いと言ってた解説者どもを見事に黙らせてくれましたね。ホークスでの2度の日本一はどちらも同じ敵将だったというのも因縁でしょうか。本当に対照的な引き際ですね。

WBCシャンパンファイトでの掛け声、「諸君は最高だ。今日は思いっきりやろうぜ!」は最高でした。あのときの福留をはじめとして、神の領域ともいえる代打策を何度も見せてくれてありがとう。その何分の一かが継投策に活かされればと思うと残念でなりませんが。

池の鯉に指を吸わせて「フェラチオみたいだね」なんて言ったり、家の中でフルチンで歩いて娘に変態扱いされるとか、面白いエピソードをたくさんありがとう。想像を絶する巨根だそうで、娘さんたちには相当なトラウマになったみたいですね。

江川の空白の一日で読売側の人間として唯一マトモなことを言ってくれてありがとう。眉間のしわ、ピッチャー鹿取をありがとう。

1977年9月、756号。小学四年生だった私も、リアルタイムで体験できました。毎晩テレビにかじりついてたのに、中継前に打っちゃうなんてひどいよ。でもありがとう王さん。50年間おつかれさまでした。

まだ死んじゃったわけじゃないので、強い気持ちで切り替えて静養していただいて、ぜひまた元気な姿を見せてください。

エキサイティングリーグ・パ!



●甲子園への遺言

誰がどう見ても、今日びのプロ野球はパ・リーグが断然おもしろいと思うのだが、そう感じるのは私だけかもしれない。とはいえ、この本は、あらゆる「やきゅう好き」な人に一読していただきたい。特に1970年代〜90年代なかばを見てきたオールドファンには堪えられない内容のはず。

高畠導宏という人の知名度は、おそらくものすごく低いに違いない。そもそも現役選手としては碌な成績を残していないからだ。だが卓越したセンスを野村に買われ、29歳のときに南海ホークスの打撃コーチに就任する。その後は野村や江夏といっしょに南海を追われる形でロッテに。さらには野村とも袂を分かってしまうが、ホントにもう、ものすごい選手たちを一人前にしていくのである。

誰でも知っているところでいうと落合やイチロー。教え子が多いロッテでは首位打者を取った高沢に西村、あとは福浦やサブローも薫陶を受けている。小久保もかな。関係ないけど、「あぶさん」にもよく登場していた。

まあそれだけだと、単なる名コーチだねってことで終わるんだけど、この人のすごいところは、50代なかばで一念発起して、高校教師の資格を取って甲子園を目指すところだ。こう書くとピンとくる人もいるかもしれないが、昨年NHKでドラマ化されていた「フルスイング」の原作本がコレである。元近鉄の吹石・奇跡のムスメであるところの吹石一恵も出演しておったな。

久しぶりに、すごくいい本を読んだ。野球は本当に面白い。

野村克也

かれこれ30年以上ホークスを応援しているが、その原点とも言えるのは野村克也だった。プレーイング・マネージャー、つまり捕手兼監督というのがたまらなくカッコよかった。

日本シリーズで、王長島擁する読売には勝つことができなかった。おまけにその後、サチヨ問題のおかげでロッテに行き、西武に行き、引退。南海ホークスの歴史からも事実上抹殺されるほどであった。

そんな野村の少年時代が、NHKの「わたしが子どもだったころ」で取り上げられていた。YouTubeにも上がっているけど、どうせそのうち削除されるだろうから、リンクしておく。

じつは中学時代はコーラス部だったという衝撃的な事実が(笑)。ともあれ、最後のセリフなは泣かせる。プレーオフはぜひ勝ち上がってほしいのである。

で、結局何が変わったというのか

近鉄が吸収されて、楽天が審査を通って、ソフトバンクがホークスを買って、でライオンズは?

選手会は保身を叫び
セ・オーナーは既得権を死守せんとし
パ・オーナーは隣の芝生をオレにくれと言い
ヨミウリは主導権さえあればいいと願い

そんな「球界再編」が流行語だそうで。へぇ。
あれだけストだの何だのって大騒ぎした割には、

選手会は受け皿だけは確保して
セ・オーナーはちこっと譲歩して
パ・オーナーはこづかいがもらえることになって
ヨミウリの主導権は現状維持?

これだけですか……?

サッカーと比べるのもどうかとは思うけれど、
なぜJリーグの選手が海外に行くときは、「がんばってこいよ」的な応援モードなのか。
そして、なぜ日本プロ野球はメジャーの2軍的な認識のままなのか。

・契約金や年俸の透明性の確保
・完全ウェーバードラフト
・ロイヤリティー・放映権の一元管理(つまり成熟した機構による運営)
・国際交流試合の推進(クラブカップ戦、Wカップetc)

もちろん、すぐにはムリだろうけど、少しずつ風穴を空けていって欲しいものです。
あと、鳴り物応援も廃止しようぜ!(笑)

嗚呼、仕事終わんね。