年を取ったせいか、「遅咲き」という言葉に以前に増して敏感に反応するようになった。
そういえば最近、やたらと映像化されてるけど、松本清張もデビューは41歳と遅咲きだ(山県先生もおっしゃってましたね)。
そんなわけで、初めてモーニング誌上でこの人の作品を読んだとき、「ああ、これは同世代周辺に違いない」と思ったものだが、実際、作者は1965年生まれだという。2008年末がデビューとなるので、43歳で世に出たことになる。かなりの遅咲きだ。
鉄道の客室乗務員が主人公という意味では「鉄系」となるのだろうが、実際は時代設定が昭和ということもあり、ノスタルジックな人情モノという感じ。
でね、これが泣かせるんですよ。ヘタウマっぽいタッチも相まって、じつにしみじみとした佳いマンガです。年齢や経験を重ねた者にしか出せない味が、しっかり出ておりますよ。
安易にドラマ化・映画化とかされそうな不安もありますが、大いに話題になってもらいたい、そんな作品に久しぶりに出会いました。
このひとは、デビュー作がすごくよかった。
確か、この1巻に収録されているんだよね。
三河の田舎の鉄道の話。
あれはまさにオヤジでないとかけない世界で、
本当に感動した。
なにかを書きたくなるような
衝撃を与えられる作家ですね。
いや、ほんと、
そうそう。デビュー作つきです。
あれはいい話。