音楽環境の緩やかな変化について

以前こんなことを書いた。

何年かたったが、ある程度レアなもの、高額なものはほとんど掃けた。山のようにあったCDもおかげで随分と減った。今も数ヶ月に1枚くらいのペースで細々と落札されてはいるけど、残っているのは、人気アーチストのヒット作なんかが中心だ。

わかりやすく言えば宇多田ヒカルの初期のものは市場に出回っているタマが多すぎて需要そのものが薄い。あとはマイナーすぎて欲しがる人が少ない作品とかね。

個人的にメルカリでの最低価格は600円と決めている。手数料が10%で送料が210円はかかるため、仮に600円のCDが売れると、600-270=330円だ。梱包材なんかもかかるので、手残りはざっと300円といったところだ。

反対に、レコードは着々と増えている。最近ではアナログ盤を出すアーティストも増えてきたように思う。喜ばしいことである。

ただ新譜が出るタイミングでアナログ盤が同時リリースされたり、あるいは発売が告知されるようなケースは、まだまだ多くはない。そのため、発売時はCDで買ってリッピング即メルカリ出品みたいなこともある。こういったケースでは定価の八〜九掛けや、特典が付いてたりするとそれ以上で売れることもある。


果たしてこれが正しい行為なのかという自問自答はある。

上に書いたブログのように、ただ単にデジタル版を買えばよいのかもしれない。メルカリとヤマト運輸を儲けさせるために音楽を買って聴いているわけではないのだが、結果としてはそうなっている。なんとなく居心地の悪さも感じる。


そんななか、試しにサブスクに手を出してみることにした。SpotifyやAppleMusicなど候補があるなかで、選んだのはYoutubeだ。動画広告も消えるというのが大きい。

サクッと始めてみて改めて感じたのは、Googleが自分のデータをきちんと持っていて、きちんと反映させていることだ。例えば過去にYoutubeで見た、あるいはチャンネル登録してあるアーチストなんかは当然のように初期画面に出てくる。


まだ初めて一週間程度だけど、なるほどもう世の中はコイツが主流なのだなと思わせられる。パッケージを買っていた時代だと、ひいきのミュージシャンでも「こぼれてしまう」楽曲というのは存在していて、そういったものに対するアクセスがひとつ。

当然だが新しいミュージシャンとの出会いも、促進される。これまではTwitterや何かで知ったとしても、MVが用意されているリードチューンぐらいしかアクセスできなかった(あとは、もちろんブートっぽい動画もいっぱい転がっているわけだが)。

気になる人やグループがいたら、サクッと検索して一通り聴けるというのは確かに便利だ。それによって、もしアナログ盤が出ていたら購入することだってあるだろう。

当面は、サブスク+アナログ盤というアプローチになりそうだ。


いかがなものかと思う点があるとすれば、そういった、未知のレストランを食べログ検索してから出かける、みたいな流れに対する自己評価か。

音楽だろうがレストランだろうが、地雷を踏むことによって経験値が上がったり、何らかの糧になるという考え方はあると思う。好んで地雷を踏むタイプの人間も、私は知っているが、地雷など絶対に踏みたくないという気持ちも理解することはできる。

今更のようなインターネット論は望むところではないが、結局のところ自分はレトロアナクロな部類の人間なのだなということは改めてわかった。


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