前回の続き、書こうとは思ってたんです。第二回はサービス、第三回は端末の話を適当にゴニョゴニョして、お茶を濁そうと思ってたんですよ。
だけど、サービスだけ切り離して考えることは難しいなーって感じで頓挫してました。なので殴り書きっぽく、問題点的なことだけ羅列しつつグダグダします。
ちょっとその前に書いておきますが、AdobeはAdobe Digital Editionsっていう、電子ブックのデータ流通までをも見越したソフトを作っていて、まさに書籍版iTunesという出来映え。PDFとepub(たしか)っていう形式に対応。ちなみに、PDFリーダーとしても優秀(高速)なので、AdobeReaderよかこっちのほうがいいかもしれない。
無料サンプルでアリスとかシャーロック・ホームズとかあるので、けっこう楽しめます。あと、なんとこのソフト、図書館から借りる(borrow)っていうモードも備えております。返却期限(というかファイルを開ける期限?)もあったりするらしく、じつによくできてる。
でも、Adobeはソフトは作ってくれたけれど、その先についてはあんまり力を入れてない。それについては色々あるかとは思うんだけど、要するに「金にならない」ということなんだろうと思う。音楽におけるiTunesStoreは、楽曲販売によって得る利益は重視されていないという。それよか、1台でも多くのiPodを売るほうがAppleにとってはオイシイわけだ。
価格設定の問題はあるにせよ、Adobeとしては端末を開発するわけでもないから、そこまで深入り(したくても)できないっていうのが実状なのかもしれない。単なる妄想だけど。
認証システムとかもちゃんとしようとしてるし、本腰入れてやればいいのになあ、と個人的には思う。あ、ちなみにAdobe Digital Editionsに対応した端末は、いまんとこソニー製品のみ(かな?)。なので、こんどの発表では、Adobeも絡んでくるんじゃないかな。んで、NY公共図書館の蔵書の、例えばほとんどがAdobe Digital Editionsで借りて読めるぞ、みたいな。んで、持ち出すのはソニー端末でどうぞ、と。
前フリのつもりが思いっきり長くなりましたが、
以下グダグダ系。
●データ化
・音楽に比べてデータ化に相当なコストがかかる
・そのコストを回収できるほど売上が立つか未知数
・音楽と違い、データのメンテナンスも必要●フォーマット
・そもそもデータ化するにせよフォーマットの問題がある
・オープンかつスタンダードなフォーマットの不在
・対応端末の問題(何に合わせるか)
・2バイトやアラブ圏への対応
PDFベース
画像ベース
記述言語系
結局のところ、これから出る新作は置いとくとしても、膨大な量の既刊書をデータ化するという作業は想像を絶する労力とコストがかかるものであり、生半可な気持ちではとても実現できない。それに対して、そういった過去の資産をデータ化したところで、どこまで収益が上がるかは未知数。魅力的なハードウェアが出て爆発的に売れて、みんなが電車の中で携帯ゲームじゃなくって本を読み出すような世の中にならないとなあ、ってところか。
とはいえ、新潮文庫の100選みたいに、最初のうちは売れ線で固めていけばなんとかなるかも。
あとデータ化するにしても、そもそもどういったフォーマットを前提としたデータ化をするのか、という問題もあるんだよね。典型的なchicken & eggかなあ。ただし、これって私のような凡人の思考かもしれない。
たとえばAmazonはけっこう思い切ったことをやっているのよね。
Amazonで和書のページを見ると、モノによっては「なか見!検索」って表紙画像のところに出ている。これ、その名のとおり、本文に書いてある内容を検索して、その前後を読むことができるというもの。まあ全部読むことはできないんだけど、そのサービス内容は置いといて、その仕組みをどのように実現しているかというと、じつにアナログな手法。
どこかは知らないけれど、労働単価の安い国に一冊送って、すべて手作業でスキャン&OCRしてるんですね。相当なチカラワザです。でも、Google系のサービスを見ても分かるとおり、チカラワザを出しちゃうほうが優位に立てるというのはネットでの常識かもしんない。
で、次が最大の問題。版権である。
そもそも1人の著者が書いた本といっても、その1人にだけ著作権があるわけではない。中に挿入されている挿絵、解説文、装丁など、ネットで流通させるとなると、すべてに対して契約を結び直さなければならないというのが、最もタイヘンな作業かもしれない。
実際、前述のAmazonの「なか見!検索」にしても、部分的に画像や図版など許諾が取れない場合は、そこは見えないようにするという、作業の担当者にとってはうんざりするけれどストレートど真ん中な解決策を提示している。
これはもう、出版社側にとっては、もうそこまできている危機を乗り越えるためにも、版権を有するすべての作品について、ひとつひとつ丁寧に電子化についての契約を結び直すといった作業をしたほうがいいんじゃないだろうか。
このへんの重い腰を、どうやって上げるかだよなあ。著者側にも問題があって、年寄ほどコンサバだし、コピーされるとか、ワケのわからんことを言って反対しちゃうんだけれど、もうそんな時代じゃないって。そもそも本って、貸したり借りたりして広がっていくもんなんだけどなあ。
アメリカがくしゃみをすると日本は何日後かに風邪をひくんだけど、そのタイムラグは短くなってきている。電子ブックの大波が米国本土で広がって、それが太平洋を渡ってやってきたときに、弾丸を何発打てるかが勝負だと思うんで、そうなって初めて動くようでは遅すぎる。
このシリーズ、つかれるなw いろいろとツッコミどころ満載だとは思いますが、やさしくしてください。あとは端末の話題をちょろっとだけ。そのうちに。
続編ありがとう。さすが、勉強になります。
CreativeCommonsあたりはどういう動きなんだろ?
ちょっと、調べてみよう!
CreativeCommonsは制作者、つうかコンテンツ権利保有者本人がレベルを設定できるんだけど、基本的にお金を生み出す仕組みには直結してないから(むしろ良心に依存したもの?)直接は関係ないかもね。
著作権切れも、基本は死後50年とかだし(そういやミッキーマウス法ってどうなったのかしら)。
なんかいろいろ考えてきたけど、じつはコンテンツ側よりも端末側のほうにカギがある気がしてきた。まあ10.2は楽しみにしております。
お、ありがとう!
いやー、ここんところボロボロで。
すまんすまん。